2009 Fiscal Year Annual Research Report
大強度加速器における磁場共有型静電粒子分離装置の完成
Project/Area Number |
21340071
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
皆川 道文 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (50391743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家入 正治 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50192472)
加藤 洋二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (20391740)
里 嘉典 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (30342603)
広瀬 恵理奈 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (90391763)
高橋 仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (60353372)
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Keywords | 粒子分離 / 高電圧 / 耐放射線 / 二次粒子 / 大強度加速器 |
Research Abstract |
『耐放射線性技術を適用し、かつ、より強い電場の発生』と『特殊形状の耐放射線電磁石』を融合した磁場共有型の静電型粒子分離装置(ESセパレータ)を完成させる事を目的としている。 基本設計及び部品や材料の選定を進めるために、既存のESセパレータを参考に改善点を吟味しながら次の事柄に留意した。 A. 有機材料の使用を避ける。 B. 放電を抑制する為に内部の電界を緩和する。特に磁場の影響を評価する。 C. 外側の電磁石の小型化を試みるとともに放射線に対する遮蔽性を考慮する。 長年使用されてきた既存のESセパレータを解体しながら、部品の評価や構造上の改善点を検討した上で、平行電極・電磁石等の配置と形状の最適化を行った。ただ、解体において予測以上の部品の腐食や黒化、保存図面と異なる材料の使用がみられたため、部品や材料の再検討、及び、改良点の見直しに多くの時間を費やした。 放射線に対する耐性を高めるために真空シール、電極用絶縁材、電磁石部品などを対象として選定を行った。さらに、電磁石は耐放射線技術としてはほぼ確立しているものの、ESセパレータの真空容器外側に取り付けるため、通常の電磁石形状と異なる薄型の物になる。特に、狭い領域に耐放射線仕様のコイルを据え付けるための設計を進めた。 試験場所となるJ-PARCのハドロン実験ホールにおいて、既存のESセパレータを解体後に洗浄と改善を施して再度組み上げ、ビームラインに設置する準備を行った。
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