2011 Fiscal Year Annual Research Report
大強度加速器における磁場共有型静電粒子分離装置の完成
Project/Area Number |
21340071
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
皆川 道文 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (50391743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家入 正治 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50192472)
加藤 洋二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (20391740)
里 嘉典 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (30342603)
広瀬 恵理奈 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (90391763)
高橋 仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (60353372)
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Keywords | 粒子分離 / 高電圧 / 耐放射線 / 二次粒子 / 大強度加速器 |
Research Abstract |
本研究の目的は、原子核・素粒子の基礎物理学実験に最適の二次荷電粒子ビームを供するため、粒子選別機能を有し大強度ビーム環境下でも長く安定に動作する放射線耐性が高い磁『場共有型の静電型粒子分離装置』を完成することである。 ハドロン実験ホールK1.1BRビームラインの第一セパレータとしての運用への試みを継続して行う予定であったところ、平成23年度は震災によりビーム試験が実施できなかった。既存のESセパレータを活用した実機ともなる試験機は、実験ホール内のビームラインに設置していた。地震の揺れによる影響を調べるために、ビームラインより取り出し電極の健全性の確認を行った後、真空試験、コンディショニングを実施した。 主な項目と内容は以下の通りである。 1.使用されている各構成部品(平行電極・電極支持部・高電圧導入部・磁場発生コイル・冷却水部品・真空ポンプなど)について地震の影響を検査するとともに、耐放射線化の検討を進めた。 2.震災後の正負の電極の平行度、真空槽に対する取付け精度を再度測定し、再調整を行った。 3,電極形状に対する電界計算を行い、内部での電界緩和を試みた。 4.高電圧を印可し耐電圧試験を行った。 5,ハドロン実験ホールK1.1BRビームラインに設置した。 6.ビームライン設置後にビームライン全体として真空排気を行い、十分な到達真空度が得られる事を確認した。 懸念された地震の影響はなく、平成24年度のビーム試験に向けての準備を整えることができた。現状報告を第8回加速器学会年会にて行った。.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
震災の影響があり、セパレータ本体の解体、内部電極の健全性の確認、正負の電極の平行度、真空槽に対する取付け精度の再度測定などを実施せざるを得なかった。しかしながら、この作業により、各種構成品の検討を進めることができ、ビームラインへの設置、ビームライン機器としての到達真空度の確認、コンディショニングなどは予定通り実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度として、実際の二次ビームによりビーム光学の調整を行い、K中間子などの二次粒子の収量や、ESセパレータの性能の指標となるK中間子/π中間子比の測定を行うことを目指す。また、磁場共有型セパレータとして、絶縁ガスの導入圧力と電圧、磁場と印加可能電圧の相関などを系統的に調べ、基礎データを得る。
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Research Products
(1 results)