2010 Fiscal Year Annual Research Report
電気伝導度計測に基づく単分子接合の振動スペクトル法の開拓
Project/Area Number |
21340074
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木口 学 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70313020)
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Keywords | 単一分子伝導 / 量子化コンダクタンス / 振動分光 |
Research Abstract |
今年度は超高真空極低温において、Au,Ag,Cu,Pt,Fe,Co,Ni電極に架橋したベンゼンやアセチレン単分子接合について伝導度計測および振動スペクトル計測を行った。実験は極低温超高真空中において行った。分子接合はMCBJを用いて作製したナノギャップに分子を導入することで作製した。 ベンゼン導入後の銀接合のコンダクタンスヒストグラムにおいて、0.2G0に明瞭なピーク構造が観測され、規定された単原子あるいは単分子接合の形成が示された。続いて、接合の伝導度を0.2G0程度に保持して、IETSスペクトルを計測した所、40meVに銀-ベンゼン間の振動に由来する振動モードが観測された。伝導度とIETS計測を組み合わせることで、銀電極に架橋したベンゼン単分子は規定された伝導度を示し、その伝導度は0.24±0.08G0となることが明らかとなった。金電極を用いた場合、電気伝導度測定より単分子接合が形成されないことが分かった。金接合破断時において、大きなナノギャップが形成され、ベンゼン分子が両電極間を架橋出来なかったためと考えられる。以上、規定された単分子接合の作製には、分子-金属間の適切な相互作用、及び金属接合の破断過程を考慮する必要がある事が示唆された。 またエチレン単分子接合についてIETSスペクトルを測定した。複数の接合についてIETS計測を行ったところ、30,60,90~120meVの振動モードが観測された。IETS計測結果と表面吸着系の先行研究を比較することで、エチレンがPt電極とσ結合した単分子接合を形成していることが明らかとなった。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Phosphine Sulfides as an Anchor Unit for Single Molecule Junction2011
Author(s)
Aiko Fukazawa, Manabu Kiguchi, Satoshi Tange, Yasunon Ichihashi, Qiang Zhao, Takuya Takahashi, Tatsuya Konishi, Kei Murakoshi, Yuta Tsuji, Alekandar Staykov, Kazunari Yoshizawa, Shigehiro Yamaguchi
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Journal Title
Chemistry Letters
Volume: 40
Pages: 174-176
Peer Reviewed
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