2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属フォトニック結晶スラブにおける電磁場位相と光起電力
Project/Area Number |
21340075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石原 照也 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (60168250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 誠吾 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (70435634)
小野田 勝 秋田大学, 工学資源学部, 准教授 (80425727)
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Keywords | フォトニック結晶 / 光誘起起電力 / 光整流 / 円偏光 / 角運動量 / ベリー曲率 / 輻射圧 / エリプソメトリ |
Research Abstract |
周期500nmの金属フォトニック結晶スラブを電子線描画装置で作製し、円偏光励起および斜め45度直線偏光励起でその入射角度および波長依存性から励起されるモードと光誘起起電力の関係を調べた。この構造の場合、光整流による力を評価した数値計算でも実験結果がほぼ再現できた。また1次元フォトニック結晶スラブ(金属グレーデイング)を電子線描両装置で作製し、縦光起電力がマックスウェル応力で再現できた。また購入した同軸回転ステージを用いて試料の入射角度と回折光を受けるための検出器の位置を独立に変えた自動測定システムを開発した。また、可動部のない4検光子エリプソメトリ装置を試作し、テスト測定を開始した。 周期構造による電磁角運動量の生成とベリー曲率の関係を明らかにすべく、電子系スピントロニクスとの類推からアプローチした。空間反転対称性の破れた蜂の巣格子フォトニック結晶におけるブロッホ波のベリー曲率分布と大きなベリー曲率をもったモードの実空間における電磁場の状態について詳細に調べた。さらに、このような電磁波が微粒子に及ぼす輻射圧についても考察し周期構造をもちいた光攬絆器の可能性を考察した。空気中においた時間反転対称性の破れた蜂の巣格子フォトニック結晶における端状態を漏れの効果も考慮して調べたところ、自由空間のモードと結合をもたず漏れのない一方通行端状態の他に、結合をもつ共鳴状態的一方通行端状態が存在することがわかった。また、試料の端の形を調整することによりこれらのモード同士をつなぐことができることを明らかにし、自由空間からの入射光により漏れのない一方通行端状態を励起できることを実空間シミュレーションにより示した。
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Research Products
(13 results)