2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属フォトニック結晶スラブにおける電磁場位相と光起電力
Project/Area Number |
21340075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石原 照也 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60168250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 誠吾 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (70435634)
小野田 勝 秋田大学, 工学資源学部, 准教授 (80425727)
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Keywords | フォトニック結晶 / 光誘起起電力 / 光整流 / 円偏光 / 角運動量 / ベリー曲率 / 輻射圧 / エリプソメトリ |
Research Abstract |
可動部のない4検光子エリプソメトリ装置を試作し、人工構造に対して、ストークスパラメタの測定を行った。信号強度を稼ぐために、テーパー型ファイバを用いたが、マルチモードであるために、配置による干渉の差異がS/Nを悪化することが明らかになった。問題点を洗い出し、改良方法を検討した。電子線描画装置で穴径を交互に変化させて、ベリー曲率を持つように設計した蜂の巣構造を作製し、光学評価を行った。 理論面に関しては、前年度にひきつづき周期構造による電磁角運動量の生成と幾何学的位相の関係性の問題について電子系スピントロニクスとの類推から取り組んだ。空間反転対称性の破れた結晶を伝搬する光線はある種の内部角運動量を伴うことが分かってきたが、これまでは、理想的な2次元周期構造を考え、厚みの効果を考慮していなかった。しかし金属フォトニック結晶スラブにおける光横起電力とベリー曲率の関係を明らかにするためには、有限厚の有限サイズ周期構造の開放系を取り扱う必要があり、端モードや表面モードとの結合等についても考慮しなければならない。また、周期性の異なる領域が存在する開放系においてベリー曲率のような幾何学量をどのように定義すべきか自明でないため、無限周期系における知見が有限系での伝搬特性においてどの程度有効性をもつのかも興味深い点である。以上の点を調べるための準備として今年度は実空間シミュレーションについての考察と計算環境の構築を行った。
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Research Products
(8 results)