2011 Fiscal Year Annual Research Report
金属フォトニック結晶スラブにおける電磁場位相と光起電力
Project/Area Number |
21340075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石原 照也 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60168250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野田 勝 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 准教授 (80425727)
大野 誠吾 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (70435634)
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Keywords | 表面プラズモン / 光整流 / フォトニック結晶 / 電磁場角運動量 / 端モード / トポロジカル絶縁体 / 位相幾何学 / ベリー位相 |
Research Abstract |
金属薄膜にハニカム状に大小二つの円孔をあけた系に、光を斜め入射した際の、電磁場状態を種々の入射偏光に対して、数値計算により考察した。また、金属内の自由電子に働く力についても検討を行い、光起電力の実験の可能性について検討した。 金属薄膜に誘電体で周期的に変調をかけた系に対して、光起電力を測定し、垂直入射で回折がないような長波長の場合にも、光起電力が発生することを実験的に実証した。またこの場合の電磁場を数値的に計算し、表面プラズモン励起における電磁場分布が生じるMaxwell応力テンソルを計算することにより、界面に生じた電荷分布を表面プラズモンが引きずることによって生じる、表面プラズモンドラッグ効果と呼ぶべき現象であることが明らかになった。 これまでは主に理想的な2次元周期構造を想定して、周期構造による電磁場角運動量の生成とその制御について調べてきたが、フォトニック結晶スラブなどの有限系への応用を考えた場合、端モードや表面モードとの結合等についても考慮しなければならない。また、周期性の異なる領域が存在する開放系において、無限周期系における知見がどの程度有効性をもつのかを明らかにする必要がある。そこで本年は、電子物性の分野において注目を集めているトポロジカル絶縁体を取り上げ、その界面での反射過程における量子波束の振る舞いを調べた。非自明な位相幾何学的性質を有すると考えられる有限結晶の開放系における特異なスピンダイナミクスを明らかにし、光学系へ拡張した場合に期待される新たな電磁モード制御の可能性を示した。
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Research Products
(7 results)