2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340076
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野村 晋太郎 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (90271527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤崎 達志 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 主幹研究員 (10393779)
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Keywords | 半導体ナノ構造 / 近接場光学顕微鏡 / 光照射効果 |
Research Abstract |
1、量子ポイントコンタクト-量子ドット結合系の局所光照射効果 電子線露光法により作製された量子ドットと量子ポイントコンタクトが結合した試料の光照射下での量子輸送特性の評価とその光照射効果の評価を希釈冷凍機中極低温、強磁場下で行った。バンド端エネルギー以上の光照射による、量子ポイントコンタクトの量子化抵抗のステップの変化を明らかにした. 2、光生成スピンの空間イメージング 複数の方法で作製した近接場光プローブの偏光特性を詳細に調べ、円偏光を良く保存する光プローブの作製法を編み出した.200mKの極低温下~3.5Tに強磁場下で近接場顕微鏡を用いて高移動度二次元電子系ホールバー試料の表面にバンド端に準共鳴した波長の円偏光励起光を局所的に照射することによりスピン注入を行った。その結果を、電圧端子間に生じる光起電圧からマッピングを行い、マップ図を得た. 3、光ゲートを用いた超高速過渡的測定 光ゲート構造を複数配置した半導体試料を作製した。顕微セットアップを用いてフェムト秒レーザーパルスを空間的に離れた2点に局所的にポンプ、プローブ光として照射し、それらのピコ秒領域での時間相関応答を同期周波数80MHzの高周波帯において調べた。光照射強度依存性、伝搬経路長依存性、バイアス電圧依存性等を調べた結果、得られた時間相関応答波形にはバリスティックプラズマ波が関与していることが示唆された。ポンプ光パルスパワー20μWにおいても十分な強度の信号を得ることができ、mK領域での極低温測定にもこの手法が適用可能であることが実証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究目的の達成のためのマイルストーンを一つ一つ順調にこなしている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初研究目的の、光物性分野と量子輸送分野それぞれにおいて発展してきた高度な実験手法を融合し、半導体ナノ構造中量子輸送の過渡現象の解明を行う新たな学問分野を切り開くことを今後推進していく。
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