2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340078
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝本 信吾 The University of Tokyo, 物性研究所, 教授 (10185829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 義昭 東京大学, 物性研究所, 技術職員 (20396922)
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Keywords | スピンホール効果 / 量子ドット / ベリー位相 / スピン軌道相互作用 / 超伝導近接効果 |
Research Abstract |
本研究計画では,量子デバイスを駆使してスピンホール効果の高感度測定を行うことを目的としている.これを達成するために,側面結合型量子ドット構造,および超伝導近接効果型デバイスを応用する予定である.当該年度では,側面結合型量子ドットスピン偏極検出器を使用し,GaAs系2次元電子系において量子ホール効果,スピンホール効果について実験的な検証を試みた.量子ホール効果については,エッジ状態の検出・エッジ状態多体スクリーニングの検出などの成果を挙げることができた.一方,スピンホール効果に関してはGaAs系では検出できなかった.これは,歪など特別な環境下にない2次元電子系でスピンホール効果が非常に小さいということで驚くべき結果ではない. そこで,スピン軌道相互作用が大きくかつ格子不整合により大きな歪が入った系であるGaAs上のInGaAs量子井戸系を微細加工して量子ポイントコンタクト(QPC)を作製し,低温での電気伝導を調べた.その結果,驚くべきことに通常の伝導度量子化値の半分の値で伝導度が量子化する現象を見出した.これは,スピン軌道相互作用と面内応力により対称性の下がった系でポテンシャル閉じ込めがあると,自然にスピン偏極が生じていることを示しており,スピンホール関連効果と考えている. 半分の値で量子化している時に実際にスピン偏極を起こしていることをドット検出器で実証するための試料作製条件を確立した.
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Research Products
(19 results)