2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子ヘテロ構造におけるエネルギー移動の解明と光機能の探索
Project/Area Number |
21340084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金光 義彦 京都大学, 化学研究所, 教授 (30185954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太野垣 健 京都大学, 化学研究所, 准教授 (80422327)
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Keywords | ナノ材料 / 光物性 / 半導体材料 / ナノ粒子ヘテロ構造 / エネルギー移動 / ハイブリッド構造 |
Research Abstract |
特色あるナノ粒子試料の作製と精密レーザー分光を一貫して行うことにより、配列ナノ粒子やナノ粒子ヘテロ構造の物性理解、特にナノ界面におけるエネルギー移動の特性についての理解と光機能の探索を行った。本年度は、機能性元素ドーピングした半導体ナノ粒子や混晶ナノ粒子の作製を行い、それらにおけるエネルギー移動やエネルギー変換過程の解明を試みた。Mnをドープしたコア/シェル型CdS/ZnSナノ粒子において、フェムト秒ポンププローブ分光を用いて、光励起キャリアの減衰ダイナミクスについて研究を行った。低密度光励起条件においては、光励起キャリアの減衰は、CdSナノ結晶における電子・正孔対からMnイオンへのエネルギー移動によって決まることがわかった。一方で、高密度光励起条件においては、MnをドープしたCdSナノ結晶の光励起キャリアの減衰ダイナミクスは、ドープしていないCdSナノ結晶と非常によく似た振る舞いを示した。このキャリア減衰ダイナミクスは光励起キャリアの速いオージェ再結合によって決まることがわかった。さらに、コア/シェル型構造を用いることにより、ドアー・アクセプター対がナノ粒子内にドープされることが分かり、CdS/ZnSナノ粒子のドナー・アクセプター対発光スペクトルがナノ粒子サイズに依存することを見出した。また、半導体/金属ナノ粒子ハイブリッド薄膜を作製し、光電特性が熱アニーリングに依存することを見出した。金属ナノ構造のプラズモンによる発光増強効果を調べるために、有限要素法を用いた電磁波解析を行った。シリコンゲルマニウム混晶ナノ粒子の低温発光分光測定を行い、基礎光学特性やエネルギー変換過程における混晶効果の解明を進めた。
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