2011 Fiscal Year Annual Research Report
フェルミ並びにボーズ粒子超流動体の新しい秩序相の探求
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21340103
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
町田 一成 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (50025491)
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Keywords | 重い電子系超伝導 / 対関数 / スカーミオン / 超流動ヘリウム3 / スピン軌道相互作用 |
Research Abstract |
以下の項目について研究を実行した。(1)重い電子系超伝導UPt3の対関数の同定を、比熱並びに熱伝導率の磁場回転下での測定実験を行い、理論を構築した。特に、後者においてab面内に2回回転対称性が出現することを見出し、それと辻褄のあった対関数をユニークに決定することに成功した。空間群E1uに属するf波軌道状態であり、この対関数はトポロジカルにも興味深い状態であることを理論的に見出した。(2)重い電子系超伝導CeCu2Si2の対関数の同定を、比熱測定を駆使して実行しこれを理論的に解析した。その結果この系は従来から考えられて来たd波対称ではなく、多バンドかつフルギャップの超伝導体であることを明らかにした。(3)スピン軌道相互作用を考慮した多成分BECを考察した。スカーミオンとよばれるトポロジカルにも興味深いスピン織目状態が安定に存在するパラメーター領域を特定した。近い将来、この提案が実験的に実現するものと期待する。(4)超流動ヘリウム3の研究を継続して遂行した。特に今年度においてはB相のトポロジカルな側面に着目して研究を行った。即ち、B相の界面に出現すると期待されているマヨラナ準粒子をどのように実験において検出するかの理論提案を、特に、核磁気共鳴実験に焦点をあてて遂行し、実験グループに提供した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実験並びに理論の共同研究者の協力があり、当初の計画よりも予想以上に研究が進展した。特に実験グループは試料の入手が思ったより順調にいき、測定グループが目標のデータをとってくれた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度にあたるので、過去4年間実行した成果のとりまとめと将来への展望を行う予定である。 重い電子系超伝導についてはUBe13の実験が今夏に行われることが決まり、それに向けての理論面からの準備をする。また新たな展開としてFe系超伝導体の研究も開始することを計画している。
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Research Products
(4 results)