2012 Fiscal Year Annual Research Report
超弦理論のコンパクト化における数学と物理学のコラボレーション
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21340109
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 健太朗 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (30535042)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 超弦理論 / 素粒子論 / 数理物理 / 幾何学 / 代数学 |
Research Abstract |
平成24年度は、2次元及び3次元の超対称なゲージ理論に関する研究を推し進めた。前年度に構成した2次元(2,2)超対称共形場の理論の新たな族の詳細を調べると同時に超対称局所化の方法を用いた厳密計算の研究を開始した。特に2次元の広いクラスの理論において、半球面上及びトーラス上の分配函数を計算し、その結果Dブレーンの中心電荷及び楕円種数に対する一般表式をそれぞれ得た。(半球面はM.Romoとの、トーラスはF.Benini, R.Eager, Y.Tachikawaとの共同研究) この表式は線形シグマ模型から得られる2次元(2,2)超対称共形場の理論の詳細を調べるための強力な手段を与え、「4次元N=1超対称性を持つコンパクト化の低エネルギー理論を理解するための方法を発展させる」とした研究目的にかなう重要な成果である。中心電荷の表式はDブレーンの安定性やミラー対称性のもとでの変換性を調べる上での基本的なな指針を与え、また、楕円種数の表式によりこれまで限られた場合にしか分らなかったスペクトラムに関する情報が分るようになった。これとは別に、半球面上の分配函数の計算は超対称局所化の方法を境界の存在する場合に適用した始めての例となっており、3次元以上の超対称なゲージ理論にも指針を与えるという意義も持っている。また、この研究とは独立に、3次元の超対称非可換ゲージ理論について研究した。3次元理論の円上コンパクト化により、「臨界点の不足」という2次元のミラー対称性の候補が抱える問題をどう解決するかが不明であったが、円の半径が(0でなく)有限の状況では不足していた臨界点が存在することを確認した。これは2次元非可換ゲージ理論のミラー対称性を理解するための重要なステップであると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の中核である「超弦理論の4次元N=1超対称なコンパクト化の全体像を把握し、それらの低エネルギー理論を理解するための方法を発展させる」のために特に重要なのは2次元(2,2)超対称共形場の理論の全体像を理解し、それぞれの理論の属性を調べる方法を発展させることである。現在までの研究において、種々の分配函数の計算の成功等、この方向における着実な進歩が見られる。また、これらの成果はDブレーンの安定性やミラー対称性等、数学においても研究されている問題に影響を及ぼし、「理論を記述するために最も適した数学を探求もしくは開拓すること」という目的に沿う形となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も超対称ゲージ理論、ミラー対称性を中心に研究を進める予定である。特に平成24年度に得た、Dブレーンの中心電荷及び楕円種数に対する表式をより広いクラスの理論に拡張し、Dブレーンの安定性やミラー対称性のもとでの変換性について理解を深めて行きたい。また、超対称局所化の方法を2次元実射影空間にあてはめ、オリエンティフォールドの性質を調べる方法を開発する予定である。さらに、3次元と2次元のミラー対称性の関係を境界のある3次元理論を調べることにより理解したい。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Uses of Linear Sigma Models2013
Author(s)
Kentaro Hori
Organizer
Seminar weeks on Calabi-Yau manifolds, mirror symmetry, and derived categories
Place of Presentation
University of Tokyo, Komaba, Japan
Year and Date
20130215-20130222
Invited
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[Presentation] Mirror Symmetry: from 3d to 2d2012
Author(s)
Kentaro Hori
Organizer
Algebraic Topology, Field Theory and Strings
Place of Presentation
Simons Center for Geometry and Physics, Stony Brook, U.S.A.
Year and Date
20120521-20120525
Invited
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