2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ光ファイバー上の原子と量子ドットによる量子非線形光学の開拓
Project/Area Number |
21340112
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
白田 耕蔵 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (80164771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAM Le Kien 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (50377024)
森永 実 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 助教 (60230140)
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Keywords | ナノ光ファイバー / 量子光学 / 冷却原子 / 量子ドット / 非線形光学 |
Research Abstract |
本計画ではサブミクロン直径の光ファイバー(ナノ光ファイバー)の周開においては原子の自然放出は自由空間と大きく異なり、ファイバー伝播モード中に効率良く放出されるという特長を用いて新しい量子非線形光学過程を開拓することを目指す。原子としてはレーザー冷却原子系と共に量子ドット系を用いてそれぞれの特長を生かした光学過程を開拓する。また、ナノ光ファイバー系の特長を生かすべく新技術の開発も行う。21年度は第1年度である。成果を原子系、量子ドット系、新技術の3項に分けて記す。 原子系:ナノ光ファイバー法が単一空間モード計測法になることを用いて、平均原子個数を1個以下から15個程度まで変化させた場合の光子相関を定量的に感度よく計測できることを示した。少数原子の蛍光放出スペクトルをも計測可能であることを示した。また、原子をナノ光ファイバー近接場中にトラップする基本手法を開発した。 量子ドット系:コロイド系のCdSeTeナノクリスタルを量子ドットとして扱う基本技術を確立した。単一ドットからの自然放出発光を定量的に観測し、光子相関の測定から発生する光子が量子性の強い非古典的特性を示すことを確認した。 新技術;ナノ光ファイバー上の発光体の自然放出がファイバーモードに放出される割合は最大で28%である。この割合は通常の意味では十分に高いものであるが、ナノ光ファイバー法を発展させるには更に大きな値とすることが不可欠である。ナノ光ファイバー上に共振器を作製することにより、放出割合は増強できる。定量的な理論解析を行い、フィネス30程度の共振器が作製できれば自然放出の放出割合は90%以上にもなることを示した。実験的にも集束イオンビーム加工によりナノ光ファイバー上にフィネス30程度の共振器が作製可能であることを示した。
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Research Products
(11 results)