2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ光ファイバー上の原子と量子ドットによる量子非線形光学の開拓
Project/Area Number |
21340112
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
白田 耕蔵 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80164771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAM Le Kien 電気通信大学, フォトニックイノベーション研究センター, 特任助教 (50377024)
森永 実 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 助教 (60230140)
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Keywords | ナノ光ファイバー / 量子光学 / 冷却原子 / 量子ドット / 非線形光学 |
Research Abstract |
ナノ光ファイバーによる少数原子系の光応答の操作においてキーとなるFBG光共振器技術の最適化に向けて各種の試みを行った。FBG作製は集束イオンビーム(FIB)により、ナノファイバー上に100nm程度の溝を直接に切り込む方式である。この方法において予測さる問題の一つは直接の溝切り込みによって発生する散乱損失である。種々の共振器長(5mmから50μm)について透過特性を計測し損失を見積もった。その結果、50μm共振器においては透過率80%と極めて良好な透過率を観測し、溝による散乱損失は必ずしも本質的ではないことを示した。原子系との組み合わせによる実験は3mm以上の長さを持つ共振器で行う必要があり、準備を進めている。量子ドットについては、ナノ光ファイバー上に精度良く担持する方法の開発を行った。5μm以内の精度で量子ドットを担持する技術を開発した。また、ナノファイバー上の量子ドットがファイバー伝播モードに蛍光を放出する割合を絶対的に計測する方法を2種類ほぼ確立した。一つの方法は、量子ドットの蛍光放出率を100μs程度までの観測時間について評価し、ブリンキングが無視できる範囲でファイバーモードに放出される単位時間当たりの光子数を見積もる。他の方法は蛍光顕微法をナノファイバー計測と併用同時計測を行い、放射モードとファイバー伝播モードに放出される光子数の比を計測する。この2種の方法は共に共振器中での研究にも対応できる。この2種の方法を併用することによりファイバー伝播モードに蛍光を放出する割合を信頼性を持って絶対的に計測できる。理論面では、ナノ光ファイバー共振器に原子を配置したときに予測される現象について解析した。
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Research Products
(21 results)