2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ光ファイバー上の原子と量子ドットによる量子非線形光学の開拓
Project/Area Number |
21340112
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
白田 耕蔵 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80164771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAM Lekien 電気通信大学, フォトニックイノベーション研究センター, 特任教授 (50377024)
森永 実 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 助教 (60230140)
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Keywords | ナノ光ファイバー / 量子光学 / 冷却原子 / 量子ドット / 非線形光学 |
Research Abstract |
今年度は本計画の最終年度であり、目標はナノ光ファイバー共振器系による少数原子/光子系での研究とその評価、量子ドット/ナノ光ファイバー系の単一光子発生源としての評価、原子系と量子ドット系の双方にづいての総合的な評価である。 ナノ光ファイバー共振器系については、22年度の発展として(独)物質・材料研究機構の集束イオンビーム装置によりFBG加工/共振器作製を行い、諸実験を行う予定であったが、震災により装置の稼働が困難になり所期の目的は達成できなかった。しかし、ナノ光ファイバーをポリマーコーティングし、フェムト秒パルスレーザーによる干渉多光子加工によるFBG加工法を開発した。本法により、ナノファイバー上に直径約100nmの周期的穴列が加工できることを見いだした。この周期的穴列はナノファイバーFBG、更にナノファイバー光共振器作製に新しい方向を開くものである。 量子ドット系について、平成22年度に開発した量子ドット担持法を用いて詳細な研究を行い、ナノ光ファイバー上に単一の量子ドットを80%の確率で5ミクロン以内の位置精度で担持出来ることを示した。残り20%は二個の量子ドットの担持であった。また、ナノ光ファイバー上の単一量子ドットについてファイバー伝播モードへの放射効率を絶対的に測定し、理論が予測したようにファイバーモードへの放射効率は20%を越えることを示した。ナノファイバー直径依存性も測定し、理論予測を実験誤差の範囲内で実証した。なお、ファイバーモードへの放射効率20%の単一光子発生法は、現状の世界トップレベルの値である。 本年度において示した理論と実験との一致は、ナノ光ファイバー法が単一光子発生法として精度良く設計可能な方法であることを示すものであり、今後の共振器組込み法への発展のための重要なマイルストーンとなるものである。量子ドットはナノファイバー上に位置を精度良く決めて担持できるという点で原子系に比べて優位であり、単一光子発生技術としては将来性が高い。
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Research Products
(27 results)