2009 Fiscal Year Annual Research Report
メソ界面動的制御によるナノ構造とダイナミクスの凍結・解凍
Project/Area Number |
21340119
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 潤 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (10200809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高西 陽一 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80251619)
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Keywords | メソ界面 / 動的制御 / ナノ構造 / ダイナミクス / 相制御 / 過冷却 / 凍結 / 外場効果 |
Research Abstract |
本年度は、「メソ界面動的制御によるナノ構造とダイナミクスの凍結・解凍」に関し以下の研究を行った。 (1)メソ界面動的局所制御のモデル化 メソ界面の空間的特徴とは、サイズ・形状・界面集合体としての空間トポロジー・接続性)とその規則性(対称性)が要素となる。一方、時間的特徴とは、メソ界面の局所状態(液体・液晶・ガラス・結晶)に起因したメソ界面自体のダイナミクスと、メソ界面により空間構造を特徴付けられたナノドメイン内の内部自由度のダイナミクスである。メソ界面の動的状態制御は、外場(温度・濃度・電場・光場・流動場など)応答性界面活性剤分子を界面に局在化させ、液晶化、ガラス化、結晶化などの局所的状態変化で制御する。 (2)相の凍結(メモリ)・解凍(イレース)自在制御 長鎖の炭化水素鎖を持つアクリレート分子や、水溶性PEGブロック高分子を基本構造に持った分子を界面活性剤として用い、それぞれ高分子化、ガラス化を動的制御の基本要素として実験を行った。まず、スメクティック液晶や層の欠陥を自発的に含むスメクティックブルー相をモデルとし、欠陥や層間に動的制御用界面活性剤分子を局在させ、相の凍結・解凍を確認した。 (3)粘弾性および流動誘起相転移による過冷却状態のマクロな状態観測 一般的な過冷却状態やガラス状態の研究には粘弾性やレオロジー測定が有効である。これは、ガラス転移が本質的にに空間構造学的な変化を伴わない動的な転移であることに起因する。本研究では、局所的なガラス化が、マクロな相構造や物性の大きな変化を引き起こすメカニズムを、粘弾性や流動誘起相転移による研究で明らかにする。本年度は、当申請により導入されたレオロジー測定装置を改造し、レオロジー測定と同時に偏光顕微鏡観察と分光測定を行えるようにした。これにより、スメクティック液晶において、流動誘起スメクティックC-A転移が起こることを見いだした。
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Research Products
(12 results)