2011 Fiscal Year Annual Research Report
噴火タイプの推移予測に向けた火道流・噴煙連結モデルの開発研究
Project/Area Number |
21340123
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小屋口 剛博 東京大学, 地震研究所, 教授 (80178384)
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Keywords | 火山 / 流体 / 計算物理 / 噴火推移予測 / 減災 / 火山物理 / マグマ上昇 / 数値計算 |
Research Abstract |
本研究では,研究代表者のグループがこれまでに開発した火道中のマグマ上昇(「火道流」)モデルと火山噴煙モデルを連結・統合することによって,観測されるマグマ溜りの圧力変動と地表における噴火タイプの推移の関係を明らかにすることを目的とする.具体的には,主に,(課題1)定常火道流モデルの火口における出力値を3次元非定常噴煙モデルの入力値として用いることによって,定常的な爆発的噴火における噴煙のダイナミックスとマグマ溜まりの圧力の関係を明らかにする,(課題2)気液2相の速度差と圧力差を考慮した火道流モデルの安定性解析に基づいて,定常的な溶岩ドーム噴火のマグマ溜まりの圧力変動に対する安定性と爆発的噴火への遷移条件を明らかにする,という2つの課題を解決する. 本年度は,(課題1)については,火口の形状を考慮した1次元定常火道流モデル(Koyaguchi et al., 2010)に基づいて「マグマ溜まりの圧力を入力値として与えたときの火口での噴出速度・圧力」を求め,さらにその結果を火口における条件として,3次元噴煙モデルに基づいて「噴煙柱崩壊による火砕流発生条件」を推定する計算を行い,典型的地質条件に関する噴火タイプ推移条件を特定した.結果の一部については,論文・学会で公表した.(課題2)については,気相と液相の速度差を考慮した非定常モデルを開発し,溶岩ドームの噴火の安定性について数値的解析を行った.その結果,マグマ中の斑晶量によって噴火推移メカニズムが変化することを明らかにすることができた. 以上の理論的研究に加え,浅間火山2004年噴火および霧島新燃岳2011年噴火の地質・岩石学的および地球物理的観測研究を実施し,これらの火山噴火における噴火タイプの推移予測性について考察を行った.
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Research Products
(12 results)