2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340130
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
高遠 徳尚 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (50261152)
|
Keywords | 系外惑星系 / 南極 / トランジット惑 / 惑星形成 / 赤外線天文学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、トランジット現象を起こす長周期の系外惑星系を発見することである。そのために長時間連続モニター観測が可能な南極ドームふじ基地に、全自動の小型測光望遠鏡を設置する。平成22年度にはこの全自動測光望遠鏡の製作し、第52次南極地域観測隊(夏隊)に隊員として参加し、実際にドームふじ基地に設置した。赤道儀架台は一70℃の低温で作動するように製作・調整した。制御用の計算機も長期間低温環境にさらされるため、機械的な駆動部のない構成にした。これらの機器は日本国内で十分に低温試験を行った後に、南極に輸送した。 望遠鏡を駆動するための電源は、オーストラリア・University of New South Walesで製作したものを、オーストラリア・Fremantleから砕氷艦しらせに積み込み、ドームふじまで雪上輸送し、設置・調整し、無事所定の電力(1kW)を発電できるようにした。 望遠鏡システムは現在スタンバイ状態で、ドームふじに本格的な夜が訪れる平成23年度に本格的な観測を開始する予定である。なお、望遠鏡、発電機の状態はイリジウム通信によって常にモニタできるようになっている。 http://mcball.phys.unsw.edu.au/~plato-f/index.html また、南極の観測条件として重要な水蒸気量をモニターする装置を用いて、南極大陸沿岸からドームふじまでの輸送経路上で可降水量の測定を行った。標高600m-3800mにかけての複数地点での水蒸気量測定に成功し、標高とともに可降水量が減少してゆく様子が明瞭に測定された。ドームふじ周辺は中緯度の観測施設(マウナケアやアタカマ高原)に比べて数分の1以下の可降水量であることが確認され、非常に優れた赤外線観測サイトであることが示された。
|