2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340140
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
徳丸 宗利 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60273207)
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Keywords | 太陽風 / 惑星間空間シンチレーション / 宇宙天気 / 太陽活動 / 太陽圏 |
Research Abstract |
1. 惑星間空間シンチレーション(IPS)観測システムの改良 本研究では、第24太陽活動周期初頭に見られた特異な太陽風構造が、太陽活動の上昇に伴って如何に発展してゆくかを、名大STE研の多地点IPS観測から明らかにしようとしている。しかし、この観測システムは老朽化したので緊急に観測システムの改良を行う必要があった。今年度は、富士および木曽観測所の観測システムについて、受信機と観測制御・データ収集装置を新たに開発した。この開発と昨年度に行った富士観測所の新型駆動制御装置の開発を合わせて、10月末から1ヶ月間、新装置を使ったIPS観測が可能になった。 2. 太陽風構造の長期変動と太陽磁気特性の関係に関する研究 名大STE研のIPS観測から明らかになった今サイクル極小期の特異性を確かめるため、1970~2010年における飛翔体による太陽風観測データを調査した。その結果、次のことが明らかになった;(1)今サイクル極小期の太陽風動圧はすべての太陽風速度範囲で過去の極小期より小さくなっている。(2)今サイクルのIMF Br成分も減少しおり、動圧の変化とよい相関がある。(3)Wilcox Solar Observatoryにおける極磁場観測データとも太陽風動圧やIMF Br成分の変化はよく相関している。以上の事実は、太陽風の生成が太陽磁場の生成機構、即ち太陽ダイナモと密接に関連していることを示すものである。今回の調査で判明した太陽風動圧の減少は、密度低下が主な原因であることが判ったので、今後は太陽風密度の長期変動に注目して調査をおこなってゆく必要がある。
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