2009 Fiscal Year Annual Research Report
カルデラ形成噴火の発生時期と海水準変動に伴う地殻内応力の変化との関係
Project/Area Number |
21340144
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
長橋 良隆 Fukushima University, 共生システム理工学類, 准教授 (10292450)
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Keywords | 地質学 / 火山 / テクトニクス / 地球変動予測 / テフラ |
Research Abstract |
本年度は,九州の火砕流堆積物の試料採取,火砕流堆積物の年代測定,新しいEDS検出器とアナライザーの納入・調整を行った. 九州の火砕流堆積物は,大分県・宮崎県・鹿児島県の後期鮮新世~中期更新世の火砕流堆積物について,合計58試料を採取した.また,火砕流堆積物の年代測定は,鹿児島県の鮮新世~中期更新世の火砕流堆積物4試料に対して,フィッション・トラック年代測定を行った.さらに,これと同一の1試料と宮崎県の中期更新世火砕流堆積物の1試料の合計2試料について,K-Ar年代測定を行った.これらの火砕流堆積物は遠方に拡散した広域テフラ層を形成したと考えられており,大阪地域や房総半島などの鮮新・更新統や海底堆積物コア中において広域テフラ層を同定するための参照標準(岩石学的特性および年代)として重要である. 海底堆積物コアのテフラ層としては,日本海で採取されたピストンコア試料にはさまるテフラ試料を国内外の研究協力者から提供していただいた. 新EDSシステムは,取り付けるSEM本体が古いため,インターフェースを特注することにより当初の要望通りSEMステージを自動制御することが可能になった.自動分析は,ステージ移動の機械精度に限界があるので10μm程度の誤差があるが,細粒砂程度の火山ガラスや鉱物については問題なく自動分析が行える.また,化学分析結果についても,標準としている鉱物や火山ガラスを多数分析し,従来以上に精度良くまた短時間で分析できることを確認した.よって,九州および海底堆積物コア中のテフラについての岩石学的分析を効率的に進めることができるようになった.
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Research Products
(10 results)