2010 Fiscal Year Annual Research Report
カルデラ形成噴火の発生時期と海水準変動に伴う地殻内応力の変化との関係
Project/Area Number |
21340144
|
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
長橋 良隆 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (10292450)
|
Keywords | 地質学 / 火山 / テクトニクス / 地球変動予測 / テフラ |
Research Abstract |
本年度は,平成21・22年度に採取した中部・南九州の火砕流堆積物試料と日本海の海底堆積物コアに挟まるテフラ層について,SEM-EDSによる火山ガラスの主元素組成分析を行った. 九州の火砕流堆積物試料は平成21・22年度に採取した計85試料である.これらの試料は非溶結試料と溶結試料があり,非溶結試料は軽石と火山灰に分けて分析の前処理を行った.火砕流堆積物試料のうち一部についてはSEM-EDS分析を行い,火山ガラスの主元素組成の結果を得ている. 日本海の海底堆積物コアに挟まるテフラ層については,鳥取沖の過去64万年間のコア(MD01-2407:Chun et al.,2004;Kido et al.,2007)に挟まる22層のテフラ層についてSEM-EDS分析を行った.既に公表されているATやAso-4などの広域テフラ層を再確認するとともに,陸域の広域テフラ層との対比が未だなされていない試料についても分析結果を得た.その他にも,連携研究者の池原氏(産総研)からは,日本海の海底堆積物コア試料の後期更新世から完新世のテフラ試料の提供を受けた.そのうちの37試料についてSEM-EDS分析を行い,8カ所のコア試料間におけるテフラ対比を構築した. 以上の分析結果を含む研究は検討途上であるが,日本海海底堆積物コアにおける過去64万年間の広域テフラ層の層序と陸域の広域テフラ層との対比について新たな知見が得られる見通しを得た.また,日本海の後期更新世から完新世のテフラ層序とその編年学的研究を進めることにより,カルデラ形成噴火だけでなく,プリニー式噴火によるテフラ層と海水準変動との関係を詳しく検討できる.
|
Research Products
(7 results)