2009 Fiscal Year Annual Research Report
太古代安定地塊の根の進化:下部地殻-マントル捕獲岩と地塊内高圧変成帯の総合研究
Project/Area Number |
21340148
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
辻森 樹 Okayama University, 地球物質科学研究センター, 准教授 (00436833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 拓也 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (50294145)
小林 桂 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 准教授 (20325129)
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Keywords | タンザニア地塊 / 下部地殻 / リソスフェアマントル / ざくろ石かんらん岩 / グラニュライト / エクロジャイト |
Research Abstract |
本研究は太古代タンザニア地塊直下の下部地殻-リソスフェアマントル捕獲岩と古原生代のエクロジャイトを含む地塊内高圧変成帯の地質学的研究に先進的な地球化学・年代学の分析技術を応用する.捕獲岩がもつ安定地塊直下の情報に地塊内高圧変成帯表層地質に記録された下部地殻物質の変動の情報を相補的に加えることにより,地球物理学と地球化学が描写する安定地塊の「根」を物質科学的に検証し,安定地塊の根の実像と陸塊の進化を解明する.そして,タンザニア地塊を例に太古代安定地塊の根の進化モデルを提唱することを目的とする 研究初年度は捕獲岩による太古代地塊下部地殻-リソスフェアマントル断面の多角的復元に集中した.捕獲岩コレクションの岩石学的な解析によって地殻からほぼ連続的に約150kmの深さまでの岩相,鉱物組成共生関係,温度・圧力条件を,光学鉱物顕微鏡,走査型電子顕微鏡,電子線プローブ微小領域分析装置を用いて読み出した.下部地殻捕獲岩については,高圧グラニコライト(含藍晶石-ざくろ石-単斜輝石グラニュライト)及び,エクロジャイト質岩(ざくろ石-Ca-Na単斜輝石岩)を対象に,それぞれの岩相が記録する地質学的イベントの抽出と捕獲岩が記録した地温勾配の推定を行った.また,タンザニア地塊の最も深部の情報を保持していると考えられるざくろ石かんらん岩捕獲岩については,二次イオン質量分析装置を用いた微小領域微量元素濃度の測定を徹底して行い,その岩相が記録するマントルプロセスの実態の把握を行った.これらの岩石学的・地球化学的な特徴付けにより,太古代地塊直下の下部地殻-リソスフェアマントルにおける岩石学的な多様性をもたらした固体地球プロセスの実態が把握されつつある.さらに,古原生代以降の大陸塊縁の造山帯発達様式パターンの理解を目指し,顕生代の沈み込み変成帯や付加型造山帯に併置した島弧下部地殻について比較研究を進めた.
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Transitional time of oceanic to continental subduction in the Dabie orogen : Constraints from U-Pb, Lu-Hf, Sm-Nd and Ar-Ar multichronometric dating2009
Author(s)
Cheng H., King R.L., Nakamura E., Vervoort J.D., Zheng Y.-F., Ota T., Wu Y.-B., Kobayashi K., Zhou Z.-Y.
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Journal Title
Lithos 110
Pages: 327-342
Peer Reviewed
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