2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21340160
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川本 竜彦 Kyoto University, 理学研究科, 助教 (00303800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小木曽 哲 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (60359172)
山本 順司 京都大学, 理学研究科, 助教 (60378536)
三宅 亮 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10324609)
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Keywords | マグマ / 流体 / マントル / スラブ / 脱水反応 / 微量成分 / 放射光 / 蛍光X線 |
Research Abstract |
私たちはスラブから超臨界流体がマントルウェッジに付加され、その超臨界流体がマントルウェッジ内を上昇する際に、マグマと水に富む流体に分離すると考えでいる。水にとむ流体とマグマとの間でどのような元素分配が起こるのか、微量成分元素の挙動を知ることは鍵になると考え、マルチアンビル型高温高圧発生装置と放射光蛍光X線分析を組み合わせて微量成分元素の分配のその場観察を行った。大型放射光実験設備SPring-8のBL04Blに設置されている川井型マルチアンビル高温高圧発生装置を使用した。元素はCs、Ba、希土類元素などを狙った。ケイ酸塩試料に元素化合物(多くは酸化物で、まれに水酸化物とケイ酸塩鉱物)を混合し、高温高圧条件で100ミクロンx100ミクロンx1.3mm(X線の透過方向)の空間に対して分析を行った。1万5千気圧(1.5GPa、深さにして45km)、1000度Cで高Mg安山岩質マグマと水にとむ流体のCsからYbまでの元素の蛍光X線をその場観察した。その結果、水にとむ流体にはCsが多く分配されることを観察した。Csはイオン半径が最大のアルカリ金属元素なので、水流体に溶け込み易い。従来急冷回収実験により報告されている実験とは諸条件が異なるため一概に比較できないが、アルカリ元素が流体に富み、希土類元素はメルトに富むという傾向は似ている。私たちのその場観察実験により、すくなくとも1.5GPa程度の低圧条件では、水流体への希土類元素の分配は低いと推定できる。今後、より高圧で水流体とメルトの間の分配実験を成功させることができるよう努力したい。また、高温高圧実験研究とともに、流体包有物を記載するための天然試料の採集などを実施し、計算機研究では適切なモデルの構築を得るための考察を行った。
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Research Products
(3 results)