2011 Fiscal Year Annual Research Report
造礁サンゴの骨格形成と環境情報を記録するメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
21340166
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 淳 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究グループ長 (60344199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 麻夕里 東京大学, 海洋研究所, 助教 (20451891)
酒井 一彦 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (50153838)
加藤 亜記 広島大学, 大学院・生物圏科学研究課, 助教 (00452962)
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Keywords | サンゴ / 水温 / 骨格 / 同位体 / 種内変異 / 代替指標 |
Research Abstract |
サンゴの炭酸塩骨格の化学組成は、古気候を推定する間接指標として広く用いられている。しかし、その記録プロセスには生物が介在するため、これまで十分に考慮されてこなかった環境-生物間相互作用に起因する「推定の不安定性」が存在する。本研究では、実験計画法の基準に基づいて管理された環境で現生のサンゴを飼育し、環境と骨格組成を繋ぐ、より正確な関係式を構築する。 現在までに、フィリピン3地点、インドネシアSeribu諸島、ミクロネシア、琉球列島石垣島、小笠原諸島父島などから、現生サンゴ骨格の長尺柱状試料を採取した。試料採取地点は、東アジアから東南アジアを経て、インド洋に及び、アジアモンスーン変動およびENSO変動の長期的変動を解析するのに適している。本研究課題では、1950年以前の海洋の水温塩分変動を復元するために、昨年度に引き続き分析未了区間について分析を進め、さらに約2週間の時間分解能を目標に追加分析を実施した。特に、フィリピンより採取された試料を重点的分析、解析した。 また、琉球大学瀬底研究施設では、前年に引き続き精密飼育実験を実施した。研究協力者により、パルス変調型(PAM)クロロフィル蛍光測定法による光合成量と、水中骨格重量法による石灰化量の経時変化モニターを実施した。本研究課題で飼育されたサンゴ試料を活用し、Sr/Ca比に加え、Mg/Ca比、U/Ca比等を分析して、特に温度と成長速度への共依存性を解析した。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Growth-rate influences on coral climate proxies tested by multiple clone culture experiment2011
Author(s)
Hayashi, E., Suzuki, A., Ishimura, T., Nakamura, T., Iguchi, A., Sakai, k., Iwase, A., Kawahata, H.
Organizer
日本地球惑星科学連合2011年度連合大会
Place of Presentation
千葉市
Year and Date
2011-05-25