2010 Fiscal Year Annual Research Report
協同トムソン散乱計測用テラヘルツ帯高出力パルスジャイロトロンの実証管開発
Project/Area Number |
21340168
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
斉藤 輝雄 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 教授 (80143163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 勇 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 教授 (90214014)
立松 芳典 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 准教授 (50261756)
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Keywords | ジャイロトロン / テラヘルツ / プラズマ計測 / 協同トムソン散乱 / LHD / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
テラヘルツ帯高出力パルスジャイロトロンを実現し、核融合プラズマにおける協同トムソン散乱計測への道を開くことは、核融合プラズマの物理研究とともに核融合の早期実現のために極めて重要であるである。本研究では平成19-20年度の科学研究費補助金の成果を発展させ、400GHz帯100kW級ジャイロトロンの実証管を開発し、協同トムソン散乱計測への道を開く。 平成22年度に実施した事項と得られた成果は、 1封じきりジャイロトロン管を用いた高出力化 21年度に製作して特性試験を開始していた封じきり型のジャイロトロン管を用いて、高出力化実験を進めた。その結果、基本波発振モードとの競合が無く、高出力化に有望なモードを見いだした。このモードに対して、運転条件を最適化して最高出力を目指した。その結果、ビーム電圧60kV、ビーム電流9Aにおいて390GHz帯において62kWを得た。さらに精密周波数測定により、モード同定に成功した。 2ジャイロトロンの改造・実験 一方、理論解析により、このモードでは出力に限界があることが分かった。そこで、より高出力が規定できるモードに適合する電子銃を、客員教授として招へいしたManuilov教授の協力により再設計した。この電子銃を製作し、既存の電子銃と換装した。この際、出力窓も交換し、想定モードに対して反射率を最小化した。 このジャイロトロンを用いて実験を開始した。ファブリ・ペロー干渉計による簡易周波数計測によると、所定のモードが発振して考えて良い結果である。出力は最高54kWを確認した。 23年度は、運転条件の最適化、発振特性の詳細計測、理論解析との比較による検討を行い、サブテラヘルツ帯2次高調波ジャイロトロンの学術的知見をまとめる。そして目標の100kWを実証し、本課題の目的を達成する。
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