2011 Fiscal Year Annual Research Report
ピコ秒レーザ励起による大気圧プラズマ中励起移行速度等の決定とプラズマ診断への応用
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21340170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蓮尾 昌裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (40218433)
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Keywords | プラズマ分光診断 / レーザ誘起蛍光 / ピコ秒レーザ / 大気圧プラズマ / 励起移行速度 / 衝突ふく射モデル / 原子衝突 / 非平衡プラズマ |
Research Abstract |
1.ヘリウムプラズマに対するピコ秒分解能偏光分離レーザ誘起緩和蛍光計測 前年度までの計測結果の解析から、ヘリウムプラズマの圧力範囲によって、一定の励起移行速度係数と消失速度係数では観測されたレーザ誘起蛍光の時間変化を再現できないことが明らかになった。そこで、測定系の時間応答関数をあらわに取り込んだより精度の高い解析法を開発するとともに、偏光をも含むレーザ誘起蛍光観測を0.001~0.1気圧で詳細に行った。その結果、実験と解析に実験精度を超える差異が見出された。二体衝突近似の妥当性を含めて検討を進めているが、理由についてはまだ明確になっていない。 2.大気圧ヘリウムプラズマに対するプラズマ分光 より安定な大気圧プラズマを発生させるためにマイクロホローカソード電極を0.3mm径に改造するとともに、半導体レーザ吸収スペクトル計測システムを開発し、分解能フリーなヘリウム21P-31D線形状を0.07~2気圧で計測した。その解析よりガス温度の圧力依存性を推定した。また、0.3mm径と1mm径のプラズマで異なるローレンツ幅が見られることを見出した。これまでの1mm径、0.03~1気圧のプラズマに対する23P-33D、21P-31D、23P-33S発光線スペクトルの同時計測結果の解析より推定したガス温度の妥当性を考察した。 3.氷砂糖トライボルミネッセンスとマイクロホローカソードプラズマ発光の計測と比較 空気放電に見られる両者の窒素分子スペクトルの高分解計測を行い、0.03~1気圧(ホローカソードプラズマでは0.03~0.1気圧)で分子の振動・回転温度を決定した。振動温度については、両者は類似の傾向を示した。ガス温度を反映する回転温度については、トライボルミネッセンスでは周辺温度とほぼ同じで一定、ホローカソードプラズマでは放電による加熱と思われる温度上昇が見られた。
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