2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21350001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村越 敬 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (40241301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田 諭 北海道大学, 大学院・理学研究院, 講師 (90400639)
並河 英紀 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (30372262)
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Keywords | 脂質二重膜 / 局所構造制御 / 分子トラッピング / 単一分子分光 / 分子分別場 |
Research Abstract |
全量10^5分子(アト(atto-,10^<-18>)モル)程度の少量の脂質二分子膜中に数個程度含まれるターゲット分子を、そのサイズ、剛直性、電荷、カイライティなどの性質に基づき高い精度にて分別分離する系の構築を目的とした。その目的に向け、脂質二分子膜を表面物性が制御されたナノ構造基板上に自発展開させ、幅数十nm程度の微小ギャップ空間にて構造変調を誘起し、構成脂質分子とターゲット分子の局所空間における集団的な相互作用を制御することで特定分子の排斥を実現させる系の具現化を試みた。さらに、摂動が印可されている状態下でのターゲット分子の拡散性、分子の振動情報をin-situ条件下にて単一分子レベルで解析することで、その機構の確立を図り、この分光情報に基づき、分子分別現象の起因を精査し、分別ナノ構造設計にフィードバックすることによって、分別効率の向上と技術の汎用化を図る。特に本年度においては、ナノ構造の形状依存性を精査したことで、ナノ構造内における集団的な相互作用変調のエネルギー論的考察に成功し、ナノ構造内においては特異的に分子間相互作用の強い状態が誘起されていることを明確化した。さらに、その特異的な状態を実験的に立証することを目的に、蛍光偏光測定に基づいた分子集合体内での分子運動特性変調を捉えることを試みた。その結果、ある特定の構造を有するナノ空間内においては、分子の回転自由度が強く抑制され、特異的に強い分子間相互作用が働いていることを実験的にも立証することに成功した。
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Research Products
(14 results)