2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21350001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村越 敬 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40241301)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 勝佳 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (50321899)
保田 諭 北海道大学, 大学院・理学研究院, 講師 (90400639)
|
Keywords | 微小ギャップ / 単一分子追跡 / 脂質二分子膜 / ナノゲート / フィルタ効果 |
Research Abstract |
全量10^5分子程度の少量の脂質に分子膜中に数個程度含まれるターゲット分子を、そのサイズ、剛直性、電荷、カイラリティなどの性質に基づき高い精度にて分別分離する知見を得ることを目的とする。本年度は、幅100nmの間隙をもつ金属構造体を電子線リソグラフィーによりカバーガラス基板上に作製し、微小空間形状変化に対する分子拡散性変化を単一分子追跡法により評価することで、膜構造特異性と分子拡散性変調との相関性を定量的に議論した。単一分子追跡の結果、構造体のないControl領域で得られた軌跡は、自発展開方位に伸びた形状をとっており、ターゲット分子であるTR-DHPEが自発展開に沿って拡散した。また構造体の存在する領域で得た軌跡から、TR-DHPEが構造体によって拡散を妨げられながら、間隙を通過していることが明らかとなった。各構造体形状領域で得られた軌跡に対して、平均変位量(MD)解析を行った結果、各構造体領域における分子の移動速度を算出され、各構造体形状により、移動速度が大きく変化するのが示された。各領域で得られた分子移動速度に差異が見られたのは、構造体形状を変化させることで、間隙部付近に形成される拡散を阻害する膜構造変調ドメイン領域が変化したことを示唆している。 また、この移動速度と平均変位量解析(MSD)から得た拡散係数から、各領域にて分子に加わる力Fが算出可能である。各構造領域における一分子に加わる力Fは、およそ1fN程度のオーダーであり、各構造により差異があることが明らかとなった。これにより、各構造の間隙部での構造特異性発現に伴う分子分別に関わる力を見積もることに成功した。
|
-
-
-
[Journal Article] Phosphine Sulfides as an Anchor Unit for Single Molecule Junction2011
Author(s)
Aiko Fukazawa, Manabu Kiguchi, Satoshi Tange, Yasunori Ichihashi, Qiang Zhao, Takuya Takahashi, Tatsuya Konishi, Kei Murakoshi, Yuta Tsuji, Alekandar Staykov, Kazunari Yoshizawa, Shigehiro Yamaguchi
-
Journal Title
Chemistry Letters
Volume: 2
Pages: 174
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-