2012 Fiscal Year Annual Research Report
近接場光励起による金属表面の局所電子ダイナミクスの理論
Project/Area Number |
21350018
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
信定 克幸 分子科学研究所, 理論・計算分子科学研究領域, 准教授 (50290896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安池 智一 分子科学研究所, 理論・計算分子科学研究領域, 助教 (10419856)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 局所的電子構造 / 近接場光励起 / ナノ光学理論 / 量子開放系 / 非平衡電子状態理論 / 金属クラスター |
Research Abstract |
ナノ構造体における実時間・実空間電子・電磁場ダイナミクスを解明するためのナノ光応答理論の開発とその理論に基づく第一原理計算手法の開発を行い、ナノ構造体機能性発現のメカニズムを理解することを目標として研究を進めた。本年度は、実在系ナノ構造体の電子・電磁場ダイナミクスを扱うための超並列計算プログラムの開発を中心に進め、京コンピュータ(神戸理研)において約20万コアの計算にも成功した。引き続き、ナトリウムクラスターやC60分子から構成されるナノ分子構造体の電子・電磁場ダイナミクスの計算を行った。 表面吸着系の電子物性や電子・核ダイナミクスを分子レベルで理解するためには、吸着系と表面の間で起こる電子エネルギーの散逸を正しく記述することが必須である。我々は、これまで吸着原子と金属表面との間で起こる電子エネルギーの散逸を考慮に入れた新しいクラスターモデル(OCM)理論を開発してきたが、本年度は、OCM理論と有限温度密度汎関数理論を融合し、電極反応の解明を行った。 ナトリウムクラスターにおける電子の集団ダイナミクスを実時間・実空間密度汎関数法によって追跡し、遷移密度に基づく集団性指標を用いて集団性の発現機構を定量的に明らかにした。また、ピラジン分子をナトリウムクラスターに吸着させると、クラスターのプラズモン励起によってピラジン分子のラマン散乱が著しく増強されることを見出した。従来のナノ粒子に対するプラズモン増強機構の議論では、増強度の振動モード依存性を説明できなかったが、分子振動とプラズモンに対応する電子ダイナミクスの相関の観点から明快な説明を与えることにも成功した。 金ナノクラスターや金・銅複合ナノクラスターの電子物性の研究を、国内外の実験グループと共同で行った。より具体的には、金クラスターへの銅原子ドーピングやリガンドの変化に対するクラスターの安定性に関する詳細な研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)