2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21350020
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤村 正也 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (40202105)
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Keywords | パラジウム触媒 / アリル化合物 / 置換反応 / 有機ホウ素 / 光学活性 / セルトラリン / アルキルホウ素化合物 / 銅触媒 |
Research Abstract |
パラジウム(II)触媒による酢酸アリル類とアリールホウ酸の位置および立体選択的カップリング反応の反応機構に関する知見を得るため、各種パラジウム錯体の化学両論反応を行った。その結果、この反応が、カチオン性モノアセトキシPd(II)錯体とアリールホウ酸の金属交換によってカチオン性アリールPd(II)錯体を生成し、酢酸アリル類の配位、Ph-Pdの炭素-炭素二重結合への位置選択的付加を経、アセトキソPd(II)のβ脱離によりアリル-アリールカップリング生成物を与える反応経路が強く示唆された。酢酸アリル類が過程の詳細な検討により、酢酸アリルの炭素-炭素二重結合がPdに配位している段階ではアセトキシ基はPdに配位していないが、Ph-Pdの炭素-炭素二重結合への位置選択的付加、アセトキソPd(II)のβ脱離の段階ではアセトキシ基がPdに配位することを強く指示する実験結果も得られた。 パラジウム(II)触媒アリル-アリールカップリングを応用して、抗鬱剤として現在臨床使用されているセルトラリンの合成に応用した。 また銅触媒によるアルキルホウ素化合物とリン酸アリル類の位置および立体選択的カップリング反応も開発した。末端アルケンの9-BBN-Hによるヒドロホウ素化により得られるアルキルボランが優れた反応剤となり、様々な官能基の存在化で効率よく原応する。環状リン酸アリル類の反応は立体特異的に進行する。一方、鎖状化合物の反応では立体特異性が十分でないことがあるので、その改善が今後の課題となっている。
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Research Products
(23 results)