2009 Fiscal Year Annual Research Report
スフェランドの新規誘導体合成を基盤とする新規超原子価アート錯体合成への応用
Project/Area Number |
21350029
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 陽介 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (50158317)
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Keywords | 超原子価 / アニオン / 錯形成能力 / スフェランド / 合成 |
Research Abstract |
スフェランドは、現在知られているLi^+に対する包接能を有する化合物中、最大の錯形成力を持ち、かつ包接したLi^+をメトキシ基が完全に覆い隠すため、強制的にアニオンとカチオンを引き離すことが可能である。この特徴を利用すれば、反応性が高い不安定なアニオン種を裸の状態で発生させることができると考えられる。スフェランドの既存の合成法は、収率と再現性が低かったため、まずスフェランドの新規合成法の開発を行なった。その結果、全収率は改善できたが、スフェランドは有機溶媒への溶解度が極端に低いために反応に用いることが困難であるという問題が判明した。そこで有機溶媒への溶解度の向上を目指して、t-ブチル基を有するスフェランドを合成した。溶解度は向上したが、まだ溶解度が足りないことが判明したため、さらに溶解度の向上を検討した。次にシクロヘキシル基(Cy)を有するスフェランドを合成した。まず、LiC1錯体をプロモシクロヘキサンから5段階、全収率20%で合成した。次に既存の方法ではLi^+を取り除けなかったため、脱メチル化し、再度メチル化することで7段階、全収率16%で目的のスフェランドを合成できた。THFやトルエンに対して、溶解度は向上していることが分かった。 そこで、5配位有機スズアート錯体の単離を目指した。5配位有機スズアート錯体はLi-Sn交換反応の中間体であるが不安定であり低温で生成が確認されているのみで単離には至っていなかった。そこでスフェランドによる安定化および単離を検討した。-78℃で5配位有機スズアート錯体を発生させた後、少過剰のスフェランドを加え-78℃で1日撹拌した。次に室温で^<119>Sn NMRを測定したところ、5配位有機スズアート錯体の生成が確認でき、スフェランドにより6が安定化され、室温で安定であることがわかった。
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Research Products
(15 results)