2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属クラスターポリマーナノチューブ複合体の創出と機能集積キラルナノ触媒
Project/Area Number |
21350030
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤原 尚 近畿大学, 理工学部, 教授 (30190101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲程 司 近畿大学, 理工学部, 講師 (10375371)
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Keywords | 金属ナノクラスター / 不斉反応 / ナノチューブ / 自己組織化 / 触媒 |
Research Abstract |
新規なキラルポスフィンキャビタンド[(S)-CAV]存在下、金イオンをNaBH_4で還元することにより、キラルキャビタンド保護金ナノクラスター[(S)-CAV-Au]を合成した。合成した各金属ナノクラスターの粒子径を透過型電子顕微鏡により観察したところ、(S)-CAV-Au(1.03±0.14nm)、(S)-CAV-Pd (1.14±0.13nm)、(S)-CAV-Ag(1.76±0.31nm)、(S)-CAV-Ru(1.26±0.11nm)、(S)-CAV-Rh(1.93±0.24nm)、(S)-CAV-Pt(2.31±0.44nm)であり、粒子径は非常に小さく、分散性に優れていることが分かった。エネルギー分散型X線分析の結果は、炭素、酸素、リンおよび各金属の含有を示した。またUV-visスペクトル測定を行ったところ、どの金属ナノクラスターも粒子径が非常に小さいため金属の表面プラズモン共鳴に基づく吸収がほとんど見られなかった。さらに、CDスペクトル測定では、R体、S体共にコットン効果が観測され、金およびパラジウムナノクラスターにおいてはクラスターにしか見られない特徴的なコットン効果を確認することができ、これにより金属ナノクラスター界面にキラリティーが付与されていることを明らかにした。また、合成したキラルホスフィンキャビタンド保護パラジウムナノクラスターの触媒能を調べる目的で、4-ブロモトルエンとフェニルボロン酸との鈴木-宮浦クロスカップリング反応を行った。その結果、非常に温和な条件下で反応が進行し、このパラジウムナノクラスターは有用なナノ触媒であることが分かった。
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Research Products
(11 results)