2011 Fiscal Year Annual Research Report
金属クラスターポリマーナノチューブ複合体の創出と機能集積キラルナノ触媒
Project/Area Number |
21350030
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤原 尚 近畿大学, 理工学部, 教授 (30190101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲程 司 近畿大学, 理工学部, 講師 (10375371)
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Keywords | 金属ナノクラスター / 不斉反応 / ナノチューブ / 自己組織化 / 触媒 |
Research Abstract |
電解重合部位としてターチオフェンを有するカルボン酸誘導体[BTBC]を合成し、BTBC存在下、鉄(III)アセチルアセトナト錯体を還元することにより、新規な磁性ナノ粒子[BTBC-MP]を合成した。BTBC-MPの透過型電子顕微鏡(TEM)を観察したところ、粒子径は7.9±0.9nmであり、分散性に優れた粒子であることがわかった。次に、細孔径約200nmのポーラスアルミナをテンプレートとして、+0.90Vの電圧を印加し、BTBC-MPを電解重合することにより、磁性ナノ粒子-ポリチオフェンハイブリッドナノチューブ[BTBC-MP-NT]を合成した。その後、テンプレートを除去し、得られた重合物が磁性を有することを確認した。得られた重合物の走査型電子顕微鏡(SEM)を観察したところ、直径約200nmのナノチューブの生成を確認した。また、合成した磁性ナノチューブのエネルギー分散型X線を測定したところ、炭素、酸素、硫黄、鉄の存在を確認した。さらに、UV-Visスペクトルでは、440nm付近にポリチオフェンに基づく吸収が見られた。これらの結果から、SEMにより観察できたチューブ状の物質は、BTBC-MPから構成される、磁性ナノ粒子-ポリチオフェンハイブリッドナノチューブであることがわかった。次に、得られた磁性ナノチューブのTEMを観察したところ、チューブの膜厚は約45nmであり、均一な膜厚および内部空間を有することが確認できた。また、保護基に光学活性部位を導入することで、磁性ナノチューブにどのような影響が現れるのかを検討する目的で、(R)-BINOLの6,6'位にターチオフェン骨格を導入したカルボン酸誘導体を保護基とする磁性ナノ粒子[(R)-BTBNC-MP]を合成し、これをモノマーとする磁性ナノチューブを合成した後、SEM,TEM観察および円偏光二色性(CD)スペクトル測定を行うことで、保護基の違いによる磁性ナノチューブの形状と特性について明らかにするとともに、パラジウムナノ粒子との複合ナノチューブを合成し、リサイクル可能な触媒系を開発した。
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Research Products
(11 results)