2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規窒素固定法に供する金属-硫黄クラスター分子の開発
Project/Area Number |
21350033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清野 秀岳 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (50292751)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 窒素固定 / 金属硫黄クラスター / 窒素固定酵素 / 合成化学 / 触媒・化学プロセス / 無機工業化学 |
Research Abstract |
窒素配位クラスターの合成を試みるため、[{Ru(MeCN)(dmpe)}(Cp*Ir)3(μ3-S)4][PF6]2 (= [{Ru(MeCN)(dmpe)}@Ir3S4][PF6]2: dmpe = Me2PCH2CH2PMe2; Cp* = C5Me5)を窒素雰囲気下で還元したところ、{Ru(MeCN)(dmpe)}@Ir3S4が得られた。単結晶X線回折法により決定した分子構造は{Ru(N2)(Me2NCH2CH2NMe2)}@Ir3S4のものと類似しているが、Ru-N結合距離が約0.21 nmと長いことからMeCN配位子への逆供与が弱いことを示している。窒素分子が配位しにくかったのは、Ru上にdmpeを有する場合にジアミンに比べ逆供与能が低いためと判明した。 [{Ru(MeCN)3}@Ir3S4][PF6]2をMeCN中でピロリジンと反応させると、配位MeCNへの求核付加生成物MeC(=NH)NC4H8を有したクラスターが得られたが、触媒的な変換はできなかった。一方、[{Ru(PPh3)}@Ir3S4][PF6]2をEtCNに溶解したのち結晶化させると、EtCN二分子が配位したものの他に、少量成分として二つのRu原子間がシアノ配位子で架橋されたダブルキュバン型クラスターが生成した。シアン化物イオンはニトロゲナーゼ基質の一つであり、ここではEtCNから脱離したものと考えられる。 オキソ架橋ダブルキュバン型クラスターを効率的に合成する目的から、(TaCl3)@Ir3S4を水存在下に塩基で処理しオキソ三架橋ダブルキュバン(μ2-O)3{Ta@Ir3S4}2に誘導した。これをエタノールに溶解し結晶化させると、オキソ-エトキソ架橋体[(μ-O)(μ-OEt){(TaOEt)@Ir3S4}2]Clが得られた。 これらの結果はこれから早急に論文として発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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