2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロトン共役電子移動に基づく高効率・高選択的酸化触媒系の構築
Project/Area Number |
21350035
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小島 隆彦 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20264012)
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Keywords | ルテニウム錯体 / 高原子価オキソ錯体 / プロトン共役電子移動 / 環境・エネルギー / 外部基質酸化触媒系 |
Research Abstract |
1.水溶液中で、[Ru(TPA)(bpy)](PF_6)_2に酸化剤としてCANを反応させると、TPAの部分解離を伴ってRu(IV)-オキソ錯体[Ru(O)(TPA-H^+)(bpy)](PF_6)_3が生成することを明らかにし、そのオキソ錯体の結晶構造解析に成功した。また、元素分析、共鳴ラマンスペクトル、NMRスペクトルによるキャラクタリゼーションを行い、電気化学測定による還元電位の決定を行った。さらに、そのオキソ錯体による様々な有機基質分子からの水素引き抜き反応について、生成物分析及び反応過程の速度論的解析に基づいて検討した。その結果、C-H結合解離エネルギーが85kcal mol^<-1>以下の基質に対して酸化活性を示し、大きな速度論的同位体効果を示すことがわかった。 TPAが部分解離した錯体[Ru(TPA)(bpy)(CH_3CN)](PF_6)_2にm-クロロ過安息香酸を反応させると、非配位ピリジン窒素が酸素化された錯体[Ru(TPA-O)(bpy)(CH_3CN)](PF_6)_2が生成する。この錯体に可視光を照射すると、分子間反応により上に述べたRu(IV)-オキソ錯体が生成することがわかった。 2.5座配位子であるN4Pyを配位子とするRu(II)-アクア錯体[Ru(N4Py)(H_2O)](PF_6)_2を合成し、NMRスペクトル測定、電気化学測定、元素分析等によるキャラクタリゼーションを行った。それを水中でCANにより酸化し、Ru(IV)-オキソ錯体[Ru(O)(N4Py)]^<2+>を合成した。ESI-MSスペクトル測定によりその生成を確認した。
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Research Products
(14 results)