2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21350038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平野 愛弓 東北大学, 大学院・医工学研究科, 准教授 (80339241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20134075)
木村 康男 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (40312673)
青沼 有紀 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (80582262)
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Keywords | イオンチャネル / チップ分析 / 脂質二分子膜 / ナノ構造 / 半導体加工 |
Research Abstract |
本研究では,半導体微細加工や陽極酸化を用いて作製したナノ構造体と,バイオナノ薄膜である脂質二分子膜とを結合させることにより,二分子膜系の最大の問題であったその機械的脆弱性の問題を解決し,チャネルタンパク質に基づくバイオチップやセンサーアレイを構築することを目的としている.前年に報告したシリコン微細加工に基づく安定化脂質二分子膜では,シリコン由来の大きな電気容量のためノイズ電流と過渡電流が大きいという問題があったが,熱酸化膜(SiO_2層)およびテフロン層を用いた絶縁層被覆を行いシリコンチップの電気容量を下げることにより,ノイズ電流幅を1-2pA(peak-to-peak),過渡電流を1ms以下にまで下げることに成功した(Micro and Nanosystems,2012,4,2-7.).これは,生体チャネルの単一チャネル電流記録に適した電気特性と機械的安定性とを兼ね備えた人工脂質二分子膜系の構築に成功したことを意味する.次の段階は,構築した安定化脂質二分子膜系へ効率良くイオンチャネルタンパク質を埋め込むことであるが,この試行錯誤には十分な量のチャネルタンパク質が必要となるため,創薬に重要な2種のイオンチャネルを対象に大量発現細胞系の構築について検討した.細胞培養系の立ち上げとタンパク質の抽出を行い,今年度は活性を保持した状態での抽出法の構築まで進めることができた.また,高効率な薬物スクリーニング法への展開を目指し,安定化脂質二分子膜を多数個並列させた脂質二分子膜アレイを構築し,モデルチャネルのチャネル電流について複数の二分子膜から同時記録をすることに成功した(投稿準備中).
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Research Products
(15 results)