2009 Fiscal Year Annual Research Report
モーメント理論に基づくクロマトグラフィー挙動解析基盤技術の確立
Project/Area Number |
21350040
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
宮部 寛志 University of Toyama, 理工学研究部(工学), 教授 (10281015)
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Keywords | クロマトグラフィー / 分離化学 / モーメント理論 |
Research Abstract |
1. モーメント解析式の開発 外部表面多孔性(シェル型)球状粒子に対するモーメント式を開発した。既に開発済の全多孔性シリカモノリスおよび非多孔性球状粒子に対するモーメント式と組み合わせることにより、現在使用されている高性能高速分離用カラムのクロマトグラフィー挙動を解析する際の基盤となるモーメント理論を体系化した。 2. 液相系分子拡散係数測定法の開発 分子拡散係数の正確かつ簡便な測定法を開発した。微小粒子充填層を用いるピークパーキング(PP)法により、溶質(アルキルベンゼン)および溶媒(メタノールおよびアセトニトリルと水の混合溶媒)の種類や組成を変化させて実験を行った。分子拡散係数の実測値は既往の報告値や推算値と一致した。 3. 細孔拡散係数測定法の開発 移動相としてテトラヒドロフラン、試料物質としてポリスチレンとベンゼンを用いるサイズ排除クロマトクロマトグラフィー系のPP実験による細孔拡散係数の測定法を開発した。 4. 液境膜物質移動係数測定法の開発 HPLC系の液境膜物質移動係数を二つのアプローチにより測定した。先ず固定相として非多孔性C_<18>-シリカゲル粒子、移動相として30vol%メタノール水溶液、試料物質としてエチルベンゼンを用いる逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)系でパルス応答(PR)実験を行い、液境膜物質移動係数を求めた。次に、固定相として全多孔性C^<18>-シリカゲル粒子、移動相として70vol%メタノール水溶液、試料物質としてアルキルベンゼンを用いるRPLC系でPR実験およびPP実験を行った。PP実験データによりピーク幅の広がりに対する粒子内拡散の影響を補正し、同様にして液境膜物質移動係数を求めた。実測した液境膜物質移動係数と各種推算式による推算値を比較した結果、既往の推算式がHPLC系の液境膜物質移動現象解析にも適用できることを確認した。
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Research Products
(12 results)