2009 Fiscal Year Annual Research Report
全反射X線吸収分光法による液液界面吸着分子の構造解析
Project/Area Number |
21350047
|
Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
谷田 肇 Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 利用研究促進部門, 副主幹研究員 (70301760)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永谷 広久 長崎大学, 工学部, 助教 (90346297)
原田 誠 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (60313326)
瀧上 隆智 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40271100)
|
Keywords | XAFS / 液液界面 / 全反射 |
Research Abstract |
本研究では、液液界面XAFS法を適用し、界面活性剤により液液界面に吸着した臭化物イオンや亜鉛ポルフィリン錯体の測定を行い、その界面濃度、溶媒和構造、偏光依存性を調べることを併せて目的とする。亜鉛ポルフィリン錯体は、界面吸着性を示す機能性色素であり、中心金属の種類によって反応性が大きく変化することから、高感度分光光度試薬や光エネルギー変換、超分子構造の構築、生体物質のモデル物質として幅広い分野で古くから研究されている。 今年度はポルフィリン錯体が液液界面において偏光依存性をもち、界面で配向して吸着していることを明らかにした。また、亜鉛の測定に最適化したセルの開発を行い、有機層の光路長が25mmで、電気化学測定及び時間分解光誘起測定に対応するセルを作成した。また、時間分解光誘起測定に必要なレーザーの購入、及び、トリガークロック遅延装置の開発をキャンドックスシステムズ社に依頼し、時間分解光誘起XAFS測定システムの構築を行った。 本研究では、液液界面に吸着したポルフィリンの中心金属の溶媒和構造や吸着構造や配向を光照射下において直接観察し、光誘起機構の解明を試みる。特に液液界面における反応の鍵となると予想される軸配位子の構造について偏光XAFS測定は有効であり、軸配位子の有無の時間変化を知ることができる。その得られた情報や知見は、光反応に関わる超分子設計や分子認識に大きく貢献することが期待される。本年度開発した電気化学測定セルや時分割光誘起測定システムを用いて、次年度より、測定を進める予定である。
|
Research Products
(2 results)