2010 Fiscal Year Annual Research Report
全反射X線吸収分光法による液液界面吸着分子の構造解析
Project/Area Number |
21350047
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 誠 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60313326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永谷 広久 長崎大学, 工学部, 助教 (90346297)
瀧上 隆智 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40271100)
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Keywords | 液液界面 / 全反射 / XAFS / 界面吸着 / 偏光X線解析 |
Research Abstract |
亜鉛のK吸収端(9.6keV)での液液界面全反射XAFS測定は入射角を約1mradとこれまでに測定してきた臭素のK吸収端(13.5keV)よりも大きいため、界面に投影されるフットプリントが小さくなるため、測定セルを小型にすることができる。これまでのセル長の2/3程度の測定セルを作り、ヘプタンと水との界面に吸着したZn(II)ポルフィリンの亜鉛イオンのXAFS測定を行い、ポルフィリン中の亜鉛イオンの局所構造解析を行った。用いているシンクロトロン放射光は水平方向に強く偏向した光であり、SPring-8のBL39XUにはダイアモンド移相子が備えられていて放射光の偏光面を鉛直方向へ偏向することができ、偏光XAFS測定が可能であるので、液液界面内と界面に鉛直方向の構造に関するXAFSスペクトルを測定し、Zn(II)ポルフィリンの液液界面の対する配向性について検討した。測定されたXANESスペクトルを比較すると、s-4pz遷移に関するプリエッジのピーク強度が変化し、ポルフィリン中の亜鉛イオンの上下に溶媒分子が配位していることが示唆された。これは水溶液表面(気液界面)で測定した場合よりもピーク強度が高く、水溶液表面ではバルク側にのみ、水分子が配位しているのに対し、液液界面では亜鉛イオンの上下両側に溶媒和分子が配位していると思われる。
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Research Products
(3 results)