2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機ホウ素、有機亜鉛と遷移金属触媒を活用した高効率有機合成反応の開発
Project/Area Number |
21350055
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木村 正成 Nagasaki University, 工学部, 准教授 (10274622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重光 保博 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 准教授 (50432969)
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Keywords | 有機合成化学 / 有機ホウ素 / 有機亜鉛 / パラジウム / ニッケル / アリル化 / 共役ジエン / 機能性材料 |
Research Abstract |
今回、2-メチレンプロパン-1,3-ジオールをアリル化剤として用い、イミンに対する双極的アリル化反応を活用することで、ピロリジン環の簡便的合成を可能にした。2-メチレンプロパン-1,3-ジオールから直接1,3-双極子を発生させ、活性中間体として複素環合成に用いることができる点が独創的である。 1,3-双極子を利用した有機合成化学は長年の研究集積により熟燗期の様相を呈しているが、炭素1,4-双極子活性中間体の化学は未開拓分野である。平成21年度では、1,3-双極子の生成に威力を発揮したPd/Et_3B反応触媒系を2,3-ビスメチレンブタン-1,4-ジオールの反応へと応用した。イミンとの反応ではs-cisジエン骨格を含むピペリジン骨格の新規合成が可能になり、新たなヘテロ環合成へと展開できた。2,3-ビスメチレンブタン-1,4-ジオールから容易に発生した1,4-双極子の性質として興味深いのは、電子欠損オレフインの梯子型の接合手となりうる点である。1,4-双極子ベンゾキノンへの共役付加、ついでDiels-Alder反応で得られるポリキノン、ポリフェノールの連続的付加反応を検討した。ベンゾキノンに対して共役付加反応を起こせば、新たなs-cisジエンを与えることができ、その分子鎖長を自在に調節することができる。ベンゾキノンとの共役付加反応を繰り返し行い、1,4-双極子骨格がベンゾキノンを直線的に接合することが可能になれば、生成物は今後、電子デバイス材料や燃料電池用の水素吸蔵材料として期待できる。
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Research Products
(22 results)