2011 Fiscal Year Annual Research Report
色彩可変ポリマーを利用した超高感度アニオンセンサーの開発
Project/Area Number |
21350058
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
覚知 豊次 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80113538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80291235)
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Keywords | π共役系ポリマー / アニオンセンサー / キラル / ホスト・ゲスト相互作用 / ポリアセチレン / 比色分析 / 超分子化学 |
Research Abstract |
環境保全などにおいて、近年アニオン種の選択的検出システムの必要性が高まっている。現在、アニオン分析には、イオン選択性電極法、キャピラリー電気泳動法およびイオンクロマトグラフィー法などの機器分析法が広く用いられている。しかし、これらの手法は測定機器自体が高価であることや前処理が煩雑で時間がかかるといった欠点がある。このような背景のもと、本研究では、簡便かつ迅速なアニオン分析を指向し、微量なアニオンに応答して色調および蛍光特性が変化するアニオンセンサー材料の開発を試みた。 具体的には、様々なアニオンレセプター部位を導入した共役ポリマーの合成を行った。レセプターとしてはウレア基やアミド基、スルホンアミド基を、共役ポリマーとしてポリアセチレンやポリ(フェニレンブタジイニレン)などを利用した。これらのポリマーは、アニオンの添加により、主鎖共役に由来する色調や蛍光特性の劇的な変化を示した。また、これらの変化はアニオンの濃度に依存した。従って、これらのポリマーがアニオンの定性および定量分析に利用可能であることが明らかとなった。このように検出可能なアニオン種はセンサーポリマーの分子設計に大きく依存することがわかった。実際に、多種多様な分子設計を施したセンサーポリマーを合成し、幅広いアニオン種の分析を実現することができた。以上をまとめると、共役ポリマーの刺激応答性に着目し、目視による迅速かつ簡便なアニオン分析を可能とする高分子センサー材料の開発に成功した。
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Research Products
(3 results)