2009 Fiscal Year Annual Research Report
高世代の樹木状多分岐構造を有するメガ分子の精密合成と機能化
Project/Area Number |
21350060
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平尾 明 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (00111659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 賢次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20282840)
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Keywords | 樹木状多分岐ポリマー / 樹木状多分岐ブロックポリマー / リビングアニオン重合 / 精密合成 / 世代 / 分子量分布 / 機能性ポリマー |
Research Abstract |
特異な多分岐構造や階層構造を有する樹木状多分岐高分子の精密合成を行った。特に世代数と分岐度に焦点を当て、既に開発して確立された繰り返し反応、即ちリビングアニオンポリマーの結合反応と官能基変換反応を繰り返すことにより、超高分子量で高密度な分岐構造を有する高世代の樹木状多分岐高分子の合成を試みた。その結果、分岐点間のポリマーセグメントの分子量を10000g/molとして、分岐構造を第1世代で4、それ以後は2分岐に設定すると、6世代以上になると立体障害が現れ、結合反応が高収率ではあるが定量的に進行しにくくなり、分岐構造に欠陥が生じることが明らかになってきた。また分岐構造をすべて4分岐とすると、既に4世代で欠陥が生じることが見出された。一方、ある世代を2分岐にすると4世代までは、完全に制御されたポリマーが得られるが、5世代で一部未反応部分が残り欠陥構造が現れてくる等、新しい知見や現在の反応系の限界も次第に明らかになってきた。それでも現時点で部分的に最外層に一部未反応部分はあるが、分子量540万、分子量分布が単分散に近い(M_w/M_n=1.02)樹木状多分岐ポリマーの合成に成功し、初期の目的は達成した。それに対して分岐点間のポリマーセグメントの分子量を4000g/molと固定すると、7世代まで容易に合成出来るが、分子量が200万と低くなる。最後の結合反応において、官能基を有するリビングアニオンポリマーを反応させることで,ポリマーの最外層に反応性、機能性を有するOH,NMe_2,COOH、エポキシ基が導入された高分子量で高密度樹木状多分岐ポリマーの合成に成功した。得られたポリマーの分子サイズ、溶液物性、さらに相分離構造や分子集合体を検討している。
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