2010 Fiscal Year Annual Research Report
高世代の樹木状多分岐構造を有するメガ分子の精密合成と機能化
Project/Area Number |
21350060
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平尾 明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00111659)
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Keywords | 樹木状多分岐ポリマー / 樹木状多分岐ブロックポリマー / リビングアニオン重合 / 精密合成 / 世代 / 機能性ポリマー |
Research Abstract |
新しく開発した繰り返し反応を用い、すべてのポリマーがポリスチレンからなる全炭化水素から構成された樹木状の多分岐構造を有する2~5世代のdendrimer-like star-branched polymer(樹木状星型高分子)の精密合成に初めて成功した。合成されたポリマーは、中心部が4本に分岐し、次の世代からは各2本に分岐して外側に向って伸びていく多分岐構造をとっており、第5世代は、124本のポリスチレンから構成されており、外側の鎖末端は、128個の高反応性のベンジルブロミドを有している。用いたポリスチレンはリビングアニオン重合より合成しているため、分子量が厳密に規制出来、極めて狭い分子量を有している。そのため得られた各世代のポリマーの分子量は厳密に制御されており、分子量分布も狭い。例えば、第5世代のポリマーの分子量は1,400,000g/molであり、この値は設計通りの分子量と完全に一致する。分子量分布も狭く、各世代ともM_w/M_nの値でいずれも1.05以下である。 さらにここで開発した方法を用い、ポリスチレン(A)とポリメチルメタクリレート(B)が世代毎に交互に導入された多分岐構造を有するブロック共重合体の精密合成にも成功した。第1と3世代がポリスチレン、第2世代がポリメチルメタクリレートからなる(AB_2A_4)_4型、および(BA_2B_4)_4型の合成が可能となり、各世代に目的通りのポリマーが導入出来ることを証明した。現在、新しい方法論を用い、5世代以上の高世代ポリマーやブロック共重合体の合成やポリメチルメタクリレートに加え、親水性、疎水性,高反応性を有するメタクリレート誘導体の導入を計画している。またポリマーの外側のベンジルブロミドの高反応性を利用して、水酸基、アミノ基、カルボキシル基の導入を試みている。
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Research Products
(17 results)