2009 Fiscal Year Annual Research Report
ロタキサンおよびポリロタキサンの金基板表面上での構築と分子デバイスとしての機能
Project/Area Number |
21350061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 俊作 京都大学, 工学研究科, 教授 (80150324)
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Keywords | 自己組織化単分子膜 / 環状βペプチド / ロタキサン |
Research Abstract |
金基板上に、環状βペプチドを固定化する方法として、Auとアミノ基との相互作用とAuとチオール基との相互作用を考え、前者について、環状ヘキサ-β-ペプチドの3残基の6位水酸基にグリシンをエステル結合にて導入したcGAN6を、後者については、cGAN6の3残基のグリシンに、さらにリポ酸を結合したcGAS6を合成した。合成は、液相法によるペプチド合成に従い、最終精製はHPLCによる分取により行い、同定は、MRおよびMALDI-TOFMSにより確認した。cGAN6は、DMF溶液を用いて室温にて浸漬すると、傾き角41°、密度0.54の自己組織化膜を形成した。DMF溶液を用いて60°で浸漬した場合、またクロロホルムを用いて室温で浸漬した場合、密度はほぼ1となり、稠密な自己組織化膜の形成を確認したが、傾き角が52°と傾いて固定化されることがわかった。一方、MeOHやアセトニトリル溶液を用いて浸漬した場合、多層膜を形成した。金基板上で表面ロタキサンを形成するには、環状ペプチドが傾き角90°で固定化される必要があり、固定化に用いたリンカーの分子長が短いことが原因に考えられた。これに対し、cGAS6は、リンカーの長さが十分と考えられる。cGAS6のDMF溶液やMeOH溶液、クロロホルム/メタノール混合溶液を用いて自己組織化単分子膜を調製し、傾き角を求めたところ、58°から64°の範囲の値が得られ、完全に基板平面に横たえた配向にすることはできなかった。
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