2010 Fiscal Year Annual Research Report
ロタキサンおよびポリロタキサンの金基板表面上での構築と分子デバイスとしての機能
Project/Area Number |
21350061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 俊作 京都大学, 工学研究科, 教授 (80150324)
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Keywords | 環状βペプチド / 自己組織化単分子膜 / LB膜 |
Research Abstract |
前年度に合成した環状ヘキサβペプチドの基板上への固定化について、LB法を検討した。cGAS6を水表面に展開し、π-A等温曲線を測定したところ、単分子膜の形成が認められ、1分子の分子占有面積が4.4nm^2と求まり、稠密な単分子膜を調製できることが明らかとなった。Langmuir-Schaffer法により、金基板にトランスファーしたところ、傾き角が64゜となり、環骨格を基板に対して平行にしてトランスファーすることはできなかった。Langmuir-Blodgett法を用いてトランスファーした場合、環平面はむしろ基板に対して垂直方向に傾くようになった。これらの結果から、cGAS6は、安定なLangmuir膜とはならず、圧縮に伴って、あるいは、トランスファーの際に分子間での会合が促進されることが考えられる。cGAOAc6を用いて、キャスト膜を調製したところ、金基板上で環平面を基板に対して横たえて積層された膜の調製を確認できた。そこで、cGAOAc6の単分子膜を調製し、Langmuir-Blodgett法を用いてトランスファーを繰り返したが、FT-IRRAS測定より積層できないことが明らかとなった。環状6量体については、目的とする薄膜を金基板上に作製することが困難であることが判ったため、金基板での環状ペプチドの配向について、環骨格のサイズとの関係を調べることとし、環状4量体および環状8量体の合成を開始した。
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