2011 Fiscal Year Annual Research Report
ロタキサンおよびポリロタキサンの金基板表面上での構築と分子デバイスとしての機能
Project/Area Number |
21350061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 俊作 京都大学, 工学研究科, 教授 (80150324)
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Keywords | 環状βペプチド / ナノチューブ / 分子集合体 / 表面修飾 / ポリジアセチレン |
Research Abstract |
環状βペプチドとして、ナフチル基を側鎖に有する環状トリβペプチド(1)、グアニン基を側鎖に有する環状テトラβペプチド(2)、ジアセチレン基を側鎖に有する環状テトラβペプチド(3)、の3種類を新たに合成した。(1)では、分子集合体であるナノチューブの結晶が得られ、弱いエキシマ-発光が観察された。ナノチューブ側面に突き出しているナフチル基の配向はランダムと考えられる。一方、(3)が自己集合したペプチドナノチューブでは、側鎖のパッキングが良好なため、ナノチューブの同じ側面にジアセチレンユニットが並び、光照射により重合が観察された。さらに、(2)の自己集合したナノチューブは、グアニン間の水素結合形成により、K+イオン存在下、G-カルテットとなり、4本のナノチューブが会合したバンドル構造が形成された。これらのことから、分子集合化によりナノチューブとなる環状βペプチドの例を増やすことができた。また、ペプチドナノチューブの会合体について、4本のバンドル化の手法を提案することができた。さらに、ペプチドナノチューブの軸方向に沿った特定の面に、側鎖官能基を並べる方法も提示できた。特に、ナノチューブに沿った官能基のスペーシングは、環状ペプチドの厚みに相当することから、ジアセチレンの重合に適した配置で固定化できることもわかった。このように、環状βペプチドの自己集合化によるペプチドナノチューブの構築と、サイズの定まったバンドル形成、ならびに、ポリジアセチレンとの複合化による機能化、について成果を挙げることができた。続いて、基板上にこれらのナノチューブを構築することを試みた。しかしながら、アミド基と金基板との相互作用により、アミド基の配向がナノチューブ形成には不適な形で固定化されると考えられ、基板表面から集積させることは困難であった。短い集合体を表面に固定化することを検討している。
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Research Products
(2 results)