2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機ホウ素錯体を用いた共役系構造体の構築とその諸機能
Project/Area Number |
21350062
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中條 善樹 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (70144128)
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Keywords | 高分子合成 / 超分子化学 |
Research Abstract |
当該研究では「有概ホウ素錯体からの構造体の構築は、新たな電子材料への可能性を生み出す」という学術的かつ独創的な点から、研究目的は、設計された有機ホウ素錯体の高分子を含む構造体への取り込みとその超分子化である。 当該年度に実施した研究は、安定な有機ホウ素錯体であるボロンキノレート類とボロンジピロメテン(BODIPY)を用いた材料設計である。 1.BODIPY骨格を有するポリマーの合成とその超分子構造体の制御 この研究は、BODIPY部位の超分子化挙動の解明と高分子への応用である。研究実施者は、BODIPYの超分子構造機構を解明に成功し、またその知見を下にそのBODIPY含有ポリマーのモルホロジーを制御することで光学特性の向上を明らかにした。さらに、水中での温度刺激応答による高効率な発光スイッチングも成し遂げた。この成果は学術論文と学会発表にて報告し、特に刺激応答に関してはバイオプローブとしての応用に期待できる。 2.有機ホウ素キノレート類を主鎖に有する共役系高分子の合成とその応用 この研究は、有機ELデバイス用の発光材料と電子輸送材料を目的としている。研究実施者は、ホウ素キノレートの酸素部位を硫黄原子やセレン原子に置き換えることにより、新しい発光材料の創製に成功した。また得られたポリマーは、発光特性に加え高い屈折率を有し、次世代の高機能性材料と期待できる。この成果に関して、学術論文と学会発表にて報告した。 その他にホウ素錯体含有ポリマーをハイブリット材料への応用にも成功している。 当該年度の研究は、研究実施計画以上に良好な成果が得られた。
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