2009 Fiscal Year Annual Research Report
強固ならせん主鎖構造を活用した機能性ポリイソシアニドの創製
Project/Area Number |
21350065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鬼塚 清孝 大阪大学, 理学研究科, 教授 (10244633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 高明 大阪大学, 理学研究科, 講師 (90252569)
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Keywords | らせん / ポリイソシアニド / 機能性ポリマー |
Research Abstract |
本研究では、代表的ならせん高分子の一つであるポリイソシアニドを利用した新しい機能性高分子材料の開発を目指した基礎研究として、申請者らが開発したリビング重合反応を駆使して、機能性側鎖置換基を有するポリイソシアニドを精密に分子設計し、新たな特性・機能を引き出すことを目的とする。具体的には、強固な4_1らせん構造を利用して側鎖上に機能性置換基を規則的に配列させた新しい高分子材料の開発とらせん高分子の高い分子認識能・不斉識別能を利用した高分子不斉触媒の創出に取り組む。今年度は、側鎖に導入する機能性分子としてクラウンエーテルとピレンに注目し、それぞれを置換基とするイソシアニドモノマーの効率的な合成ルートを開拓した。これらのモノマーの前駆体であるアニリン誘導体を従来の方法で合成することができず、種々検討した結果、対応するニトロベンゼン誘導体の加圧下での接触水素化が有効であることが分かった。また、これらのモノマーは、本研究者らが開発したアセチレン架橋Pd-Pt複核錯体によってリビング重合し、分子量分布の狭いポリイソシアニドを定量的に与えることを確認した。さらに、適当な光学活性モノマーとのブロック共重合により一方向巻きに制御したポリマーの合成に取り組んだ結果、クラウンエーテルではかさ高さが不足するために、らせん方向を高分子量まで保持できないことが明らかになった。今後、クラウンエーテルやピレンを置換基とする光学活性モノマーを合成し、その重合によって得られるポリイソシアニドの特性・機能についての研究を行う予定である。
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