2010 Fiscal Year Annual Research Report
強固ならせん主鎖構造を活用した機能性ポリイソシアニドの創製
Project/Area Number |
21350065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鬼塚 清孝 大阪大学, 理学研究科, 教授 (10244633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 高明 大阪大学, 理学研究科, 講師 (90252569)
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Keywords | らせん / ポリイソシアニド / 機能性ポリマー / クラウンエーテル / ピレン |
Research Abstract |
昨年度クラウンエーテルを置換基とするイソシアニドモノマーの合成ルートを開拓したので、今年度はまずクラウンエーテルを有する光学活性なイソシアニドモノマーの合成から開始し、アミノ酸を利用することで効率的に合成することができた。次に、アセチレン架橋Pd-Pt複核錯体を開始剤に用いて重合させたところ、通常の条件では反応の進行が非常に遅く殆どポリマーが得られなかった。種々検討した結果、濃度を10倍くらいにすると、分子量分布の狭いポリイソシアニドが定量的に得られることがわかった。生成したポリマーのCDスペクトルを測定すると、主鎖のイミノ基に由来する吸収帯で強いCotton効果が観測され、溶液中で一方向巻きのらせん構造を保持していることが確認された。また、溶媒によって異なるCDスペクトルが観測され、溶媒の極性に依存してらせん構造が変化することが明らかになった。さらに様々な金属塩を添加してCDスペクトルの変化を追跡したところ、アセトニトリル中では側鎖のクラウンエーテルに合うサイズのアルカリ金属塩を添加したときに、Cotton効果が大きく減少した。この現象は、クラウンエーテルが金属カチオンを取り込むことによって隣接する側鎖間で静電的な反発が起こり、一方向巻きのらせん構造を保持できなくなったためと考えられた。一方、水中で同様の実験を行ってもCDスペクトルに有意な変化は観測されず、クラウンエーテルを側鎖に持つポリイソシアニドの主鎖構造は溶媒の極性に大きな影響を受けることが裏付けられた。
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Research Products
(3 results)