2011 Fiscal Year Annual Research Report
強固ならせん主鎖構造を活用した機能性ポリイソシアニドの創製
Project/Area Number |
21350065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鬼塚 清孝 大阪大学, 理学研究科, 教授 (10244633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 高明 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (90252569)
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Keywords | らせん / ポリイソシアニド / スタッキング / 芳香環 / エキシマー |
Research Abstract |
芳香族化合物をはじめとする機能性分子が集積すると、伝導性の向上などの特異な機能の発現が期待される。主鎖が41らせん構造を安定に保持するポリイソシアニドを利用した機能性ポリマーの創製を目指し、本年度は側鎖上の芳香環のπ・πスタッキングについて調べた。まず、一方向巻のらせん構造を取ることが分かっている(L)-メンチルエステル基を有するポリ(アリールイソシアニド)に関して、340臓mの光で励起しながら発光スペクトルを測定すると、450nm付近に発光が観測された。同様の条件でモノマーは全く発光しなかったことから、この発光はポリイソシアニドに特徴的であることが分かった。分子量の異なるポリイソシアニドの発光スペクトルを比較したところ、50量体くらいまでは重合度の増加と共に発光強度が増大し、それ以上の重合度では一定となった。らせん構造を形成している割合を示すCDスペクトルの強度についても全く同じような傾向が見られたことから、側鎖ベンゼン環のスタッキングによる発光であることが示唆された。他の置換基を持つポリ(アリールイソシアニド)についても検討したところ、らせん構造をとっているポリマーでは同様の発光が観測されたのに対して、らせん構造を取っていないポリマーはほとんど発光を示さなかった。この結果も側鎖ベンゼン環のスタッキングによる発光と考えると矛盾なく説明できる。また、特異な発光特性を示すピレンをプローブとして主鎖から離れた側鎖上でのスタッキングについても調べたが、ほとんどエキシマー発光は観測されず、主鎖から離れて自由度が増すことによってスタッキングしにくくなることが明らかになった。以上の結果は、機能性ポリイソシアニドを分子設計する上での重要な基礎的知見である。
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