2011 Fiscal Year Annual Research Report
触媒移動型縮合重合によるπ共役系高分子共重合体の精密合成
Project/Area Number |
21350067
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
横澤 勉 神奈川大学, 工学部, 教授 (80182690)
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Keywords | 高分子合成 / 有機導体 / π共役系高分子 / リビング重 / n型π共役系高分子 / ポリチアゾール / ポリチオフェン / 触媒移動重合 |
Research Abstract |
申請者らは末端構造の明確なポリ(ヘキシルチオフェン)がリビング重合と同等な連鎖重合によって分子量を制御して合成できることを報告した。さらにこの重合は金属触媒が高分子末端へと分子内移動することによって連鎖重合が進行していることを明らかにし、ポリフェニレン、ポリフルオレン、ポリピロールのπ共役高分子もこの触媒移動型縮合重合で精密に合成できることを見出した。しかし、異なるπ共役系高分子のブロック共重合体や交互共重合体を触媒移動型縮合重合によって精密に合成することは申請者らの最近の2つの予備的な実験以外まったく行われていない。そこで本研究では、1つの芳香族モノマーを重合後、第2の芳香族モノマーを加えてブロック共重合体を合成する手法と、異なる2つまたは3つの芳香環を結合したモノマーの触媒移動型縮合重合によって交互共重合体や三元配列制御共重合体を合成する手法を確立する。 本年度は(1)熊田・玉尾カップリング重合におけるアクセプター性π共役系高分子の精密合成法の開発、(2)鈴木・宮浦カップリング重合におけるポリチオフェンの触媒移動型重合の最適化を検討した。(1)についてはチアゾールの2位をGrignard化した5-プロモチアゾールは副反応を伴うため効率よく重合しないが、Grignrad化部位と臭素部位を逆にしたチアゾールが高分子量体を与えることを見出した。しかし、反応溶媒への溶解性が低く、4位のアルキル置換基を今後検討する。(2)についてはチオフェンモノマーのボロン酸ピナコールエステルをトリオールボレートとしたモノマーの重合を検討した結果、連鎖重合性が低下することを見出した。今後、ホウ素部位の連鎖重合性に及ぼす影響についてモデル反応によって明らかにする。
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